(試合中、赤井は査定側の高木、大鷲にセクシーポーズでアピールしたが…)
(C)DDTプロレスリング
4月1日に開催されたDDTの後楽園ホール大会で、予想外の“社長追放劇”が展開された。この日、第3試合で行なわれたのは「敗者追放マッチ」。出場選手が、分かるような分からないような追放理由で参戦。遠藤哲哉、マッド・ポーリー、石井慧介、高梨将弘、赤井沙希、平田一喜、MAO、アントーニオ本多の8人が同時対戦し、3カウントかギブアップを奪えば追放回避、また「査定側」として登場した大社長・高木三四郎と大鷲透から認められれば、その場合も追放から免れるというルールだ。
選手たちは平田を集中攻撃して次々と勝利、DDT残留を決めていく。またアントン(本多)は恒例の「徹夜して考えてきた昔話・ごんぎつね」を、今回は「二晩徹夜した」スペシャルバージョンで披露。審査側も「○」のボードでOKを出した。
残された赤井にかけられている疑惑は「性別詐称」。本人にも心当たりがないわけではなかったが、ここはDDTに残るべく、査定側にセクシーポーズでアピールしていく。しかし結果は「×」。ならばと平田を丸め込み、疑惑は晴れなかったものの勝利は手にした。
結局、平田が負け残ったところで高木と大鷲も闘いに加わり、急きょ2vs1での「敗者追放マッチ本戦」が開始。同じユニットのはずの平田を痛めつける2人だったが、ここで「追放候補」だった選手たちも加勢して平田が高木から3カウントを奪取してしまう。
すなわち、社長自身がDDTから追放されることに。「みんな、今日が何の日か知ってるよね? エイプリルフールだよ!」と、追放が嘘だと主張しにかかった大人げない大社長だったが、この言い分は当然、通らず。泣き叫ぶ高木は、場内に中島みゆきの「世情」が流れる中、金八先生における加藤優ばりに連行されていった。
(DDT追放が決定、選手たちに連行されていく大社長・高木)
(C)DDTプロレスリング
若いプロレスファンが「卒業式前の暴力」をどれくらい知っているのかはともかく、高木は社長でありながらDDTを追放。バックステージでは「はぐれてやる! DDTをはぐれたヤツを集めるからな!」と、はぐれDDT軍の結成を宣言した。
次回の後楽園大会、4月29日には高木は欠場、遠縁の親戚である女子レスラーのフランソワーズ☆タカギが登場することに。その対戦カードは「男色ディーノ&KUDO&高梨将弘vsチェリー&フランソワーズ☆タカギ&大石真子」だ。この試合は5月からフリーとなるチェリーの団体卒業マッチ。DDTの功労者とも言うべきチェリーの卒業だけに「高木三四郎として送り出したかったんですが、なにぶん追放された身でして……」と高木。
(鉄柱にしがみついて追放を拒否した高木だったが、誰も社長の言うことに耳を貸さず)
(C)DDTプロレスリング
とはいえ、過去にはグループ団体のユニオンプロレスに移籍したり「反体制軍」を結成してみたりと社長らしからぬ行動もあった。今回の追放劇からは、どんな展開が生まれるのか。あるいは「フランソワーズで充分」となるのか。DDTのやることだけに予測がつかない。というより、予測しても特に意味はない。
文・橋本宗洋