先発陣容の立て直しが待たれるチームに、昨シーズン11勝を挙げ、チームを牽引した左腕の復帰が近づいている。
(写真左/復帰に向け、「シーズン通して」戦える体をつくる今永。隣は浜口投手)
一部報道で10日から始まる巨人戦での復帰が囁かれている横浜DeNA今永昇太投手が、4日のイースタン・リーグ対ヤクルト戦(戸田)に調整登板をする。3月29日の西武戦では19日ぶりの登板を果たし、2回を無安打無失点に抑えた今永について、2軍投手コーチを務める川村丈夫氏は「状態は良く、前回29日の登板でも2回を投げている。次の登板で4回、5回を投げられれば(復帰できる)と思っています」と明かした。
調整登板を翌日に控えた3日午後、今永が調整を続ける横須賀市長浦にある横浜DeNAベイスターズ総合練習場で本人に今のコンディションや心境について話を聞いた。
―現在の状態は?
肩の具合は良く、状態も上がっています。「開幕後に離脱して迷惑をかけるよりはいい」と考え、今回は勇気を持って(2軍スタート)決断し、調整期間を頂きました。9月、10月になれば、より緊張感のある場面で、少々の無理が必要になる機会も増える。そのため「開幕投手」という言葉はいったん忘れ、「シーズンをどう締めくくるか」を最優先にしました。
―復帰を間近に控え、今の心境は。
復帰と言っても、上(一軍)のピッチャーの状態が良ければ、自分が上がるところはない。他の選手にチャンスを与えているようではダメ。もう一回しっかり投げて、もう一回アピールをする。チャンスをつかみ取って、モノにする。今はそういう立場だと思っています。今シーズンのテーマが「皆からの信頼を得る」だったので、そういった意味では一からではなく、ゼロからのスタートです。
―リハビリ期間を経て、今思うことは。
「開幕に合わせなければならない立場の人間が、コンディションを合わせられなかった」ということは、情けなく、無責任なこと。とても悔しい期間でした。それに「怪我をする」ということは、自分の野球はもちろん、プライベートにもどこか隙があったはず。ただ、その一方では野球について、自分の体について、考え直す良い期間にもなりました。出遅れた者の責任として、投げない日も「いかにチームの歯車として貢献できるか」を考えています。練習でも、雰囲気作りでも、チームに合流できたときに「何かをガラッと変えられる」ような存在になりたいですね。
―復帰後はどのような投球を。
自責点をゼロに抑えて、味方の援護を辛抱強く待って投げる。チームが勝つ確率が少しでも高くなる投球をしたいと思います。若い投手も頑張ってくれていますし、ノコノコしていられません。お手本にしてもらえるような投球をして、投手陣を引っ張っていきたいと思います。
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