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 ハイテク国家として世界に名を轟かせるイスラエル。しかし、日本の若者に話を聞くと、「イスラエル?うーん、特に印象にない」「あまりいいイメージではない」「とにかく怖い」「宗教で荒れていて住むのは大変だろうな」と、お世辞にも良いイメージを持っていないようだ。

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 その一方、イスラエルの若者たちの間での日本人気は高く、「東京や京都に行くことが私の夢です」「日本人はイスラエル人よりもマナーを守るし、学校でも良く勉強してる」「イスラエルは日本を愛してるよ!僕も日本人が大好き!」といった声が聞かれた。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査(2010年)によれば、イスラエルのアニメ専用チャンネルで日本のアニメが放送され、若年層を中心にブレイクしたという。毎年3月1日に行われるユダヤ教のお祭り「プリム」でも、日本のアニメや漫画のキャラクターに扮した参加者で溢れる。2008年からは毎年「ハルコン」というイスラエル版のコミケが開催され、「『ラブライブ』が大好き!特にホノカチャンが好きよ!」「『カードキャプターさくら』や『ドラゴンボール』に恋していました。東京の(コスプレ)大会にも行くようになって、ますます好きに!」と熱く語る若者たちで賑わう。

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 東大大学院で学ぶアフリアト・リロンさんは「小さいころから日本のアニメが大好きだった。日本の歴史や料理が好きになったし、コスプレにもすごくハマった。論文も"コスプレをする女性たち"というテーマ」と話す。

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 そんなイスラエルの若者たちは、ハイテク国家を築くという国策に則り、幼少期からプログラミングを学習。高校を含む13年間の義務教育のあとは兵役を経て、大学へ進学したり、長い旅に出る人が多いという。そのため、街で銃を持った若い兵士を見かけるのが日常的だ。

 「兵役を終えた後は"自分探し"の時間に使う。少し給料ももらえるので、それを使って南アメリカや、東アジア、海外へ長い旅に出ることが多い」とリロンさん。日本を訪れ「少しだけでも日本に住んでみたいと思った」と話す。

 楽天でエンジニアとして働いているヤニフ・ボアズさんも、インドやタイ、ラオスといったアジア諸国を9か月かけて周遊した。「イスラエルもエンジニアとして働きやすいけど、面白くないと思って、違う国で働きたいと思った。日本が気に入って、なんとなく日本に」。

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日本では中学・高校を卒業してアルバイトを続けていれば「フリーター」と呼ばれるが、イスラエルにはそれに当たる言葉はないのだという。

 また、長い期間にわたって規律の中で生きるイスラエルの若者たちだが、休日は「ビーチに行く。泳いだり、浜辺でのんびりするの」「おじいちゃんのお家にいくだけよ」「旅行やコンピュータを触ってるかな」と、思った以上にのんびり過ごしていることも伺える。国のためになる教育や兵役を義務付けられる一方で、自分の時間も大切に過ごす。そんな"規律と自由"の両面をうまくコントロールしているのが、イスラエルの若者たちなのだ。

 「悩みが高レベル・頼りがいがある」。リロンさんにとって、あらゆることに真剣に向き合い、真面目に映るという日本の若者。ただ、初対面の人に対して他人行儀だとも感じている。ボアズさんは、自分の将来に責任を持っている若者が多い」とする一方、「失敗するリスクを恐れてトライしない人が多い。リスクを取らないことも失敗のひとつだと思う」と指摘した。(AbemaTV/『AbemaPrime』)


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