
先月30日の開幕から、6日の広島戦までを終えて1勝5敗。野手陣が援護をできず、スタートダッシュでつまずいている格好の横浜DeNAベイスターズ。
打のキーマンとなる主砲・筒香は、ここまで21打数4安打、打率.190と本調子とは言い難い。しかし野球解説者の多村仁志氏は、キャンプから打撃改造に取り組んでいる主砲について「心配は一切ない」と断言。今シーズンの活躍に太鼓判を押した。
「宜野湾のキャンプで『タメをつくりたい』という話を本人から聞いた。今が良ければいいではなく、彼はもっと先の進化を見据え、自分なりの考えで試行錯誤を続けている。ガラッと変えるのは勇気の要ることだが、それをできるのが彼の凄み。筒香選手にもなれば確固たる“軸”がある。ダメだったら戻せばいいだけ。例えばWBCのツーシーム対応で背中を少し丸めていた時期はホームランが出なかった。それと比較して、一昨年に44本を打ってホームラン王を獲得した時は背筋がスッと伸び、グリップの位置も少し高かった。つまり、すべて自分で把握をしながらやっていること。ホームランも1本出れば、立て続けに出る。時間の問題。心配はしていません」と絶大の信頼を寄せた。
また今季は走塁や犠打などの小技を生かした「スモールベースボール」を掲げているラミレス監督。大和の加入に加え、桑原の開幕1番起用などはその象徴と言えたが、その桑原は神里に1番を譲ったのち、5日の試合で2016年6月19日以来となるスタメン落ちという苦汁をなめる結果となった。
そんな桑原について多村氏は「昨シーズン終盤に加え、今年のオープン戦でも結果が出せていない(打率.167)ということに尽きる。ただ昨シーズンの7月は打率.389をマークして月間MVPに選ばれた実績があるので、ここで奮起して戻ってくることが彼はもちろん、チームの為にもなる。昨シーズンも序盤は良くなかったが、我慢をして起用し続けてもらった。今、彼に求められているのは“奮起”だと思います」と話した。
そんな苦しいチーム状況の中でも、光明も見え始めている。それが「若手の頑張り」だ。「桑原に代わった神里然り、投手陣の穴を埋めるべく登板してプロ初登板・初勝利を挙げた京山、さらに一昨日先発してメッセンジャーと投げ合った東など、“普通であれば出られなかったかもしれない”若手がチャンスを得て、結果を出している。『嬉しい誤算』ではないが、いい選手が出てきている」と、長いシーズンを戦い抜くうえでプラスの要素にも目を向けた。
先発3本柱(今永、浜口、ウィーランド)の出遅れに加え、打撃陣の不調など、20年ぶりの日本一に向けてファンを悩ます課題が山積する横浜DeNAベイスターズ。しかし、若手の台頭と主力の復帰・復調でチームが一つになった時、ファンの悩みは「歓喜」に変わるかもしれない。
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