将棋の羽生善治竜王(47)が4月11、12日に行われた第76期名人戦七番勝負で、佐藤天彦名人(30)に97手で勝利し、史上2人目となる通算1400勝を達成した。通算成績は1967局で1400勝565敗、勝率0.7124。対局後の会見では「1つの目標としてやってきたので、今日達成できてよかったです」と語った。
羽生竜王は1985年12月18日に四段昇段し、史上3人目の中学生棋士としてプロデビュー。1996年には当時7つだったタイトルを同時に保持する「七冠独占」を将棋界で初めて達成した。2017年12月に竜王のタイトルを獲得すると、永世称号のある7タイトルすべてで条件を満たす「永世七冠」を達成。今年2月には将棋界初の国民栄誉賞も受賞した。
2期ぶりに名人戦に登場した羽生竜王は、今回の勝利で大山康晴十五世名人の1433勝に続き、史上2人目の1400勝に到達。あと33勝で史上最多タイとなる。また今回、名人のタイトルを獲得すると前人未踏のタイトル通算100期も達成することになる。会見の内容は以下のとおり。
―1400勝達成の感想をお願いします
対局中はほとんど意識することはなかったですが、昨年の終わりぐらいから、少しずつ近づいてきているということはありましたので、1つの目標としてやってきたことが、今日達成できてよかったなと思います。
―節目となりました
公式戦だけでも2000局ぐらい対局しているので、あまり通算成績を意識することはほとんどないんですが、100勝の区切りのところは一応、ひとつの目標としてやっていくというところでしょうか。
―1433勝についてどう思いますか
今日1400勝を達成することができたので、次は大山先生の記録に向かって挑戦していくという気持ちでいます。これもまだまだ先の話ではあるので、一歩ずつ進んでいければいいなと思います。
―タイトル100期についてはいかがですか
新しい年度も始まりしたし、こちらも大変大きな記録。前向きにいければいいかなと思います。名人戦は始まったばかりなので、これからとも思っています。
―将棋の内容が変わってきたようですが
戦術的な変化というのは、かなりここ1年、2年で大きく変わってきているという風にも思っていますし、今日の将棋も1日目の午後からかなり激しくなって、ずっとテンションを保っていないといけない将棋が増えてきている印象を受けています。
―2年ぶりの名人戦についてはいかがですか
2日制だと9時間だと夕食休みもありますし、じっくりと考えることができるという面もあります。2年ぶりということもあり、試行錯誤でペースを考えながらやっていたのが実情です。
―大山十五世名人について
晩年に10局ぐらい教わっているのですが、非常に懐が深いところもありましたし、毎回毎回一局ずつ工夫されているのが、間近に見てすごいと思いました。
―若いころの100勝は区切りが違いますか
1300勝の時とかあまり記憶が残っていないです。1個ずつ上がっていくのは大変とも思いますし、進めば進むほど道のりは険しくなっているととらえています。
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