4月15日に行われた対中日3回戦に勝利して「17年ぶりの8連勝」。勝率.643で単独首位を守った横浜DeNAベイスターズ。開幕からしばらくは投打がかみ合わずに苦しい状況が続いたが、その状態を好転させた要因の一つに「ラミレス監督の采配」がある。
開幕戦に1番で起用するなど期待を寄せた桑原を5試合目でスタメンから外し、14日の対中日2回戦で走塁ミスを犯した楠本を即座に交代、その日のうちに「二軍行き」を命じるなど、今年のラミレス監督の決断はとにかく早い。
15日の対中日戦、AbemaTVで解説を務めていたプロ野球解説者の小田幸平氏は「競争が生んだ8連勝」と話し、昨シーズンとの違いを次のように述べた。
「昨年までのラミレス監督は、選手を信頼してとにかく我慢を続けた。しかし今シーズンは違う。決断が早い。かといってこれは、選手への信頼欠如を表すものではない。“愛を持った厳しさ”といえる。結果として選手には“ここで結果を出さないと”という『1プレイに対する緊張感』が生まれた」と話し、競争原理が良い方向へ働いた結果だと分析した。
小田氏はさらに、「ラミレス監督は練習中、常に選手とのコミュニケーションを図っている。選手の性格、調子をすべて把握しているからこそ、ときに非情とも思える采配を振るうことができる。私が現役時代、投手に接するとき、厳しいことを言って奮起する選手もいれば、落ち込む選手もいた。すべてを把握しているからこそなんです」と、自身の経験を踏まえて持論を展開した。
1番から降格した桑原、登録を抹消された楠本については、「彼らの奮起を監督は信じている。彼らがもう一度這い上がってくることが、自身のため、チームのためになる。そうなることで、本当に強いベイスターズができあがる」と桑原、楠本の復調に期待を示した。
思い切った采配を可能にさせる「選手層」にも話が及ぶと、「今、セ・リーグを見回して若手が順当に伸びてきているのは、横浜と広島の2球団くらい」と小田氏。奇しくも現在、首位のベイスターズを0.5ゲーム差で追うのは、その広島東洋カープである。シーズンはまだ始まったばかり。今シーズンもセ・リーグの戦いから目を離すことができない。
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