開幕直後は1勝5敗と出遅れたものの、そこから一気に17年ぶりの8連勝など“春の主役”に躍り出た今季の横浜DeNA。選手に無理をさせないラミレス監督の采配は、勝ち続ける中でも垣間見えている。8連勝中に登板が続いていた守護神・山崎康を休ませ、今季から中継ぎに転向した井納がプロ初セーブを挙げたほか、先発投手も継投失敗を恐れず、早め早めにスイッチしている。そんな起用は野手にも見られる。横浜DeNAのOBで野球解説者の多村仁志氏も「選手層が厚いからできることですね」と指摘してきた選手交代が、シーズン序盤から見られている。

 3月30日の開幕から、スタメン出場を続けているのは神里、大和、筒香、ロペス、宮崎、倉本の6人。もちろん接戦や劣勢ともなれば、この6人はフルイニング出続けることになるが、リードしている展開であれば終盤8回、9回まで進むと1点差、2点差でもどんどん主力を交代する。特徴的なのは5番サードで出場を続ける宮崎だ。多村氏は「守備に関して、サードを守る宮崎選手はゴールデングラブを取ってもおかしくないほどです。セイバーメトリクスで出してもトップですから」と評価するが、試合終盤には交代するシーンが多い。

 宮崎に代わって入るのは柴田。守備力はチームでもトップクラスで、昨年はシーズン終盤にスタメンのセカンドで定着していた。途中交代で入った柴田がセカンドに入り、スタメン時にセカンドの倉本がサードに回る。ショートはFA移籍してきた守備のスペシャリスト・大和が守る。これが今季の横浜DeNAが勝利を迎える瞬間によく見られる形だ。「宮崎選手の負担を減らそうということだと思います。それに柴田選手の守備は監督からも一目置かれています。こういう起用も選手層が厚くなったからできることですね」と解説した。

 シーズンは143試合の長丁場だ。たとえ1試合あたり1イニング、2イニングであっても、守備をせずにベンチで休めるのであれば、フルイニング出場した際の疲労度は、シーズンが進むにつれて大きく変わってくる。今は宮崎が途中で下がるが、今後は他の選手が早めに下がるなど、各選手に疲労を分散させる形も出てくるかもしれない。投手、野手の疲労を可能な限り減らし、しかも勝つ。このサイクルがうまく回り続ける限り、横浜DeNAがある日を境に大失速するという可能性は、かなり低くなりそうだ。

(C)AbemaTV

▶4/19 17:50~ 【プロ野球】横浜DeNAベイスターズvs読売ジャイアンツ

【プロ野球】横浜DeNAベイスターズvs読売ジャイアンツ | AbemaTV(アベマTV)
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