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 「乙武さんは小学校の先生もされていましたが、その中で感じた日本の学校教育の課題はなんですか?私も小学校に勤務していますが、色々な制約や業務が多すぎて創造的な実践が出来ず苦しんでいます。この状況をどう打開していけば良いのでしょうか?」

 11日放送のAbemaTV『橋下徹の即リプ!』に寄せられた相談に、橋下氏と東京都教育委員の経験も持つ乙武洋匡氏が回答した。

 乙武氏はまず「日本はOECD諸国の中でも教育に対する支出が低く、先生一人が見なければならない子供の数が最大で40人にもなる。そうなると、子どもたちに一律に動いてもらわなければ回せない。思っちゃいけないことだけど、この言い方でわからない子、このやり方でできない子に対して鬱陶しい、手がかかると思ってしまう部分も出てくるし、一人一人の個性どころではなくなってくる。それが最大の問題点だと思う」と指摘。

 「もう20年以上も"個性を重んじた"とか言いながらできていないのは教師のせいではなく、システムやお金をかけられていないことが原因。日本はこれから人口が減ってマーケットも小さくなっていくので、ますます人材が大事になる。そこに投資せずどこにお金をかけるのか。それどころか子どもの数が減ってるからと、予算を減らそうとしている。いやいや、ちゃんと未来考えようよと言いたくなる」。

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 行政の長の経験者として橋下氏は「現場の教員の皆さんは時間を割いて頑張ってくれている。でも、全体のシステムについては教員ではできないし、政治家がやらなければいけないこと。ところが教員というのは、政治家に色々と言われることを嫌がる。僕が大阪の教育改革をしたときにびっくりしたのは、パソコンが一人一台なく、書類が手書きばかりだったこと。そこで幹部を集めて話を聴いたら、その方が魂がこもります、熱意が伝わりますと言うわけ。でも、間違えたら修正・書き直しだし、作成も管理もパソコンですればいいのにと思って、40億円以上かけて踏み切った。そうしたら、ものすごく時間の節約ができた。クラブ活動を外のスポーツ指導員に任せるという話のときも、現場からは"クラブ活動も指導の一つです"と言われた。熱意はわかるけど、そんなことを言ってたら時間が無くなるし、全員が熱血先生というわけでもないでしょう、効率化については政治家に任せてくれと。でも"教育への政治介入だ!"と批判された」と振り返った。

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 乙武はこの"政治の介入"について、「前川前次官の講演に対して、文部科学省が指導とも受け取られかねないことをしたことや、足立区で行われた性教育に対して、自民党の都議が圧力をかけ、都教委が指導を行ったり、という問題が最近出てきている。システムに踏み込むのはありだけれど、とくに思想信条に基づいた教育内容への政治家の介入はすべきではないと思う。そこの踏み込みが最近多い気がするし、それを跳ね返すことができない教育委員会もどうかと思う。もっとしっかりしろと言いたくなる」とコメントしていた。(AbemaTV/『橋下徹の即リプ!』より)

放送済み『橋下徹の即リプ!』の映像は期間限定で無料視聴が可能。

橋下徹の即リプ! | 動画視聴はAbemaビデオ(AbemaTV)
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