南北首脳会談を終えた直後の先月29日、安倍総理と韓国の文大統領が電話会談を行った。その中で文大統領は、北朝鮮の金委員長が「日朝国正常化を望んでいる」「いつでも日本と対話する用意がある」と発言したことを伝えたという。

 その一方、28日付の『朝鮮中央通信』は「超大型スキャンダルで窮地に追い込まれている国内統治においての危機を乗り越えて、憲法改悪など自分たちの政治的目的を実現し、対外的には“日本疎外論”を覆い隠し、何とか状況を転換させるためである」と、強い口調で日本批判を展開している。

 日朝首脳会談は本当に実現するのだろうか。そして拉致問題は解決するのだろうか。

 デイリーNKジャパン編集長の高英起氏「屈折しているが、そういうやり方をする。トランプ氏のことも放送禁止用語のような言葉を使っていたのに、コロッと変わった。日朝首脳会談の可能性はあるだろうし、裏ではそういう話も進んでいると思う。拉致問題の解決を考えれば急がないとダメだという考えもあるが、現時点では落とし所を決めるのが難しい状況だ。下手に急いで会ってしまうと、北朝鮮のペースで進んでしまう。仮に米朝首脳会談がうまくいって経済制裁が解除されたとしても、大規模な経済支援を行えるのは日本しかあり得ない。北朝鮮は日本に何らかのアプローチをせざるを得ない。金委員長は先代までのようにプロパガンダや共産主義にはそこまでの興味はないと思うので、うまく引き寄せ、利用すべきだと思う」とコメント。

 国際ジャーナリストの小西克哉氏は「確かにアメリカとの協議ではトランプが独走したので、日本が蚊帳の外だという見方もあるが、私はそう思わない。日本外交が力を発揮するのは米朝会談が終わった後。ある程度の体制保証や非核化への歩みが始まった時、日本は北朝鮮に対して外交攻勢をかけ、拉致と戦後補償について交渉する。日韓基本条約の時には当時の額で1兆円、今の価値だと14~15兆円を韓国に支援した。おそらく北朝鮮に対しても数兆円を出すような話になってくる。それをタダで出すわけにはいかないので、当然、拉致問題で主張する。完全で、検証可能な形での拉致のデータを、北朝鮮の自己申告ではなく、日本も含む合同チームでやっていくべき。金委員長は自分の代でやったわけではないので、父の金正日氏よりもOKしやすいはずだ」との考えを示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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