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 奈良・法華寺にある文殊菩薩坐像(もんじゅぼさつざぞう)。その内部に大量の巻物が納められていることが明らかになった。

 文殊菩薩坐像は鎌倉時代に作られた高さ73cmの木製の仏像で、これまで内部に何かが納められているとみられていた。そこで仏像をCTスキャンしたところ、内部から180点もの巻物などが見つかった。

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 頭の部分には約30点の巻物や釈迦の遺物を納めた舎利容器が確認され、胴体部分には約150点の経典とみられる巻物も見つかった。これらは一度も取り出された形跡がなく、1つの仏像に納められた数としては他に類をみないという。

 そもそも、仏像に巻物などを納めることにどのような意味があるのか。『けやきヒルズ』(AbemaTV)では、歴史学者で東京大学教授の本郷和人氏に話を聞いた。

 本郷氏によると、仏像に巻物などが納められていることは「スタンダードではない」といい、「中に小さな仏様が入っていることはあるが、こんなにいっぱい入っているのは聞いたことがない。(中身は)それは見たい。頭部にある舎利容器かなんかはガラス製かもしれない。色々な宝物が入っている可能性がある」と期待を寄せる。

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 仏像の中に巻物などを入れる意味については「ひとつには仏様と縁を結ぶという考え方がある。“結縁(けちえん)”といって、自分が仏様と繋がっていたいというような意識から色々な物を入れたりする」と説明。続けて、現代まで巻物が形を残していることに「紙と墨の組み合わせはものすごく残る。コンピュータにデータを入れたら大丈夫だというけど、サーバーの入れ替えとか大変。でもこうしておくと本当に残る」と述べた。

 さらに、CTスキャンによって実態が明らかになると期待できる仏像があるとし、「鎌倉時代初めの天才彫刻家・運慶の仏像。まだ関東に結構あるようで、CTスキャンをして運慶の名前が確認できると、運慶作の仏像がもっと増えるかもしれない」と語った。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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