1年前の五月場所で大関昇進を決めた高安。思い起こせば、TVや新聞が高安の“7回の脱走を乗り越えて”といった「ロード・トゥ・大関ストーリー」をにぎやかに伝えて大いに盛り上がっていた。
それが九月場所二日目で右太ももを痛める怪我(右大腿筋群損傷)で途中休場、十一月場所は勝ち越しを決めるも再び右太ももを傷め(右内転筋損傷)、再び途中休場。大関に昇進してからの高安は怪我に泣かされ、ファンも心配が途切れなかった。
でも五月場所の高安はやってくれるだろう! AbemaTVのインタビューに答えた高安は、「稽古十分でしっかりと初日から勝ち続け、優勝を目指してやっていきたいです!」と力強く答えてくれた。5月3日に行われた稽古総見では右肩、その後の稽古で左肩を傷めた様子だったが、大きな怪我ではなかったようで、ホッとした。
高安は茨城県出身で、1990年2月28日生まれの28歳。身体は大きいけど甘えん坊な子供だった高安を大相撲へ入門させたのは、相撲好きの父・栄二さん。高安は当初は大相撲への入門を「絶対にイヤ」と拒否していて、入門してからも7回もの脱走を繰り返した……。それでもがんばってここまでこれたのは、脱走するたびに親方に頭を下げて許しを乞うた父・栄二さんが、高安の入門2年目の年にガンを患ったことが大きいそうだ。病のお父さんのために頑張ろうと決意した、まだ10代だった高安少年の気持ちを思うと「がんばれ!」と叫びたくなる。
そんな高安、実は大の音楽好き。3歳からピアノを習い始め、一旦は辞めてしまったものの小学校高学年ぐらいからピアノをまた自己流で始め、音楽の道に進みたい、という気持ちもあったとか! 好きな音楽はジャズで、ギターも爪弾く。その道を今はあきらめたものの、ぜひ趣味として続けて極め“ジャズを鳴らす大関”の華麗な姿をファンに披露してほしい。
そして大関となった今はお父さんのため!と取ってきた相撲を、相撲人気をひっぱっていきたいという強いプロ意識で頑張る。何よりファンを大切にする大関だ。
「本場所の会場でもたくさん声援をいただいてそれを励みにやっていますけど、特に巡業で全国各地を廻るとファンの方から直接声を掛けていただけるんで、すごくいろいろ感じることがあり、それが原動力となります。応援してくれる人たちがいないとやる気も起きません。そういう皆さんに恩返しするためにも五月場所、がんばりたいです」。
ちなみに高安はツイッターで自ら情報発信もしていて、アカウント(@akira228taka)のプロフィール写真は自身のちびっ子時代のもので、その生意気そうな可愛さといったら! 誰からも愛される子だったろうなぁ~と今につながる魅力が分かる。チェック&フォローを!【和田静香】
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