将棋の羽生善治竜王(47)の永世七冠達成・国民栄誉賞受賞の記念祝賀会が5月10日、都内で行われた。羽生竜王は、昨年12月に竜王のタイトルを奪取し、永世称号がある7つのタイトルですべて資格を持つ「永世七冠」を達成。今年2月には将棋界初の国民栄誉賞を受賞した。国民栄誉賞を受賞した囲碁棋士の井山裕太七冠(28)、雑誌の対談から親交がある京都大iPS細胞研究所・山中伸弥所長(55)らが祝福に訪れる中、壇上で羽生竜王は「みなさんが喜んでくださり、そこに価値を感じてくださるのが大きな原動力です」と謝辞を述べた。羽生竜王は現在、名人戦七番勝負に登場しており、タイトルを獲得すれば通算100期の大偉業を達成する。主な内容は以下のとおり。
棋士というのは、じっと考えている時間が非常に長いのですが、たくさんのみなさまにお集まりいただきまして、あたたかいメッセージやたくさんの記念品をいただいてしまい、本当に棋士として歩んできた道のりというものを、ひしひしと実感した瞬間でありました。タイトル戦、棋戦を主催していただいている各社のみなさまに御礼を申し上げたいと思います。また、たくさんの将棋ファンのみなさまがいてこそ、こういう世界が成り立っているんだと思います。
国民栄誉賞という、大変名誉のある賞をいただきました。これは私個人の活動よりも、将棋の世界の昔からある長い歴史、伝統、先人の人たちの歩み、積み重ねを合わせて大きく評価していただいたと考えております。また普段、棋士として活動をしていく中で、家族の支えも大変ありがたく思っています。家内にもお礼を申し上げたいと思います。
棋士の世界は非常に幅広い年代が活躍できます。最近では10代に藤井さん、加藤先生のように70代になっても活躍される方もいらっしゃいます。世間一般に近い世界なのかなと思います。棋士になって30年以上になっていますが、将棋そのものはどれくらい分かっているかといえば、ほとんど分かっていないというのが実情に近いと思います。ただ、そういう中でもこうして喜んでくださるみなさんがいたり、そこに価値を感じてくださる方がたくさんいるのが、私自身が続けていく大きな原動力にもなっています。様々な形で将棋を取り上げていただくようになりました。日常生活の中で小さな潤い、気分転換としての文化としてあり続けてほしいと思います。一生懸命頑張っていきますので、これからもよろしくお願い致します。
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