立教野球部OBでプロ野球では大洋の投手、さらにスカウトとしても活躍した稲川誠氏(81)が、世界最多の868本塁打の記録を持つ王貞治氏(77)の一本足打法について「こんな奇妙なフォームで打てるはずがないと思った」と、当時を振り返った。

稲川氏は5月13日、AbemaTVの東京六大学野球 2018春季リーグ戦の中継に解説で登場。プロ野球選手としてはわずか7年ながら、2年目には26勝を挙げ、リーグ最多の338回1/3も投げた。その稲川氏がルーキーイヤーの1962年に対戦したのが、一本足打法に変更したばかりの王氏だった。
プロ4年目から一本足打法に挑戦した王氏と相対した稲川氏は、当時「少し足を上げる選手はいっぱいいましたけど、王さんみたいに、あんなに足を上げる人はいなかった。こんな奇妙なフォームで、おれの球が打てるわけがない」と思っていたが、1962年7月1日の試合で「真ん中に投げたらホームランを打たれた」と“一本足1号”を献上してしまった。
ホームランを打たれた後の王氏についても「最初はフォームがぎこちなかったんですけど(その後は)軸足が地球、地面をつかんで、足を上げて打つ」ようになったと説明。この年38本塁打を放った王氏は、引退する1980年まで19年連続で30本塁打を記録することになった。
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