(公開練習ではパンチだけでなく鋭いミドルキックやヒザ蹴りも披露)
3月のさいたまスーパーアリーナ大会で念願のK-1初参戦を果たしたKANAが、5月17日のKrush後楽園ホール大会でタイトルマッチに臨む。
KANAは昨年1月、保持するKrush女子フライ級(-50kg)王座を奪われたものの、「年内に取り戻す」という宣言通り、12月大会で奪還。あらためて女子戦線を引っ張る存在であることを証明し、K-1に乗り込んでいた。
今回は自分の代名詞とも言えるKrush王座の防衛戦だが、目標はベルトを守ることだけではない。3月のK-1では「求めている勝ち方ができなかった」とKANAは言う。求めている勝ち方とは、つまりノックアウト。この防衛戦はK-1で残った不満を解消するため、ファンを満足させるための闘いだ。そしてそのためには、自身の成長も必須となる。
(K-1参戦から2ヶ月と短いスパンでKrush王座防衛戦に臨むKANA)
挑戦者は、Krush初参戦のキム・タウンセンド。オーストラリアの選手で、ムエタイ系のタイトルをこれまでに5つ獲得している。Krushではヒジ打ち、組んでの攻撃が禁止のためムエタイの選手は攻撃が制限されるが、KANAにとっても難しい相手ではある。
試合のリズム、あるいは距離感が違うため、展開が噛み合わない可能性があるのだ。パンチの打ち合いになれば、危険ではあるがKOのチャンスも生まれやすい。しかし豊富なキャリアを持ち、蹴り主体のキムはKANAのアグレッシブなファイトスタイルという持ち味を潰しにくるのでないか。
そんな相手をどう倒すか。それが王者に課せられたミッションだ。それが分かっているから、KANAは「いつも通りにやれば勝てる」といった常套句は使わない。
「豊富なキャリアの相手なので、倒せば自分のレベルアップになる。今までパンチのカウンターで倒したことがないので、技術的な倒し方ができれば」
この志の高さが、K-1・Krush女子のエースたる所以だ。厄介な相手と闘う中で、KANAの新たな強さが見られるか。多くのファンが期待しているはずだ。