【連載】大衆酒場大学・12コマ目 渋谷で安く美味く上品に! 創業36年、老舗居酒屋「千」で味わう絶品の“厚切ハムカツ”
どうも、SCOOBIE DOのオカモト”MOBY”タクヤです。5~6年前、毎日新聞の川柳欄にこんな句が投稿され、一部の酒場好きの間で話題騒然となりました。
知らぬ土地 俺も今宵は 吉田類
BS-TBSで2003年から放送されている『吉田類の酒場放浪記』の影響を受けた、実に味わい深い一句です。全国津々浦々、実にさまざまな街の酒場を、“酒場詩人”こと吉田類さんが訪れ、酒、肴、そしてその店や常連さんの人柄という名の“旨味”を類さんが引き出しては紹介する番組が、現時点で放送800回以上を数えています。
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吉田さんは、自身を「酒場詩人」と称し、全国を旅しながらお酒の魅力や酒場文化を伝えている人です。本業はイラストレーター、俳人、エッセイストですが、前述の「吉田類の酒場放浪記」(BS-TBS)では、その親しみある人柄と酒場トークが幅広い層に支持され、ファンを増やし続けています。芸能界にも吉田さんのファンは多く、酒場好き以外の人たちにも、吉田類さんの名前、そして酒場放浪という言葉が、いまやお茶の間まで浸透し始めているのです。
ボク、MOBYも「吉田類の酒場放浪記」が大好きで、毎週欠かさず番組を拝見し、また類さんの著作を読んで予習復習に励んでいる、通称「吉田類門下生」であります。人伝で2010年に吉田類さんと中目黒「藤八」で席をご一緒させて頂いてからは、門下生界隈では一番年下の“小童(こわっぱ)”として懇意にさせていただいております。「酒汚れなく道険し」、まだまだその一杯の大事さに勉強の日々が続きます(ただ呑んでるだけ、とも言えますが)。
渋谷で創業36年、センター街TSUTAYA近くにある“気が利く”居酒屋「千」
(photo/pixabay)
さて、そんな気の利いた酒場は、例えば若者たちの街・渋谷にもあるのだろうか。答えは……あるんです!
いまや海外旅行客の東京観光の一大エリアの一つに数えられるようになった渋谷。毎日がお祭りのように人が行き交う、正に“人間交差点”な渋谷にも、もちろん素晴らしい酒場は存在します。
例えば、老舗の立ち呑み屋だったり(ただ来年には建物の取り壊しにより閉店してしまうお店も)、デカ箱の老舗台湾料理屋を酒場のように使ったり、迷ったら24時間営業の居酒屋もあるし、意外とパブも点在している渋谷。
そんな中でも誰しもが「えっ、こんな渋谷のど真ん中に、こんな“普通で”しかも“気が利く”大衆酒場があったの!?」と思うであろう酒場をご紹介します。しかも今回はこのコラムを開始してから一周年ということで、担当編集のNさんとAbemaTIMESの担当S氏にも同行していただき、写真を撮っているボクの姿も含め、お楽しみ下さい。
(photo/Sothei)
JR線渋谷駅ハチ公口を出て、TSUTAYA方面に渡り左に曲がりadidas(アディダス)を通り過ぎ、道路の向かい側にヤマダ電機LABIが見えてくるちょっと手前の雑居ビルの4階。そこに、今回ご紹介する創業36年の老舗の居酒屋「千」さんがあります。元々はJRの線路を挟んだ逆側、明治通り沿いに居を構えたのが1982年。2014年に現在の場所に移転しております。
店内はまだ移転時の新しさを感じられつつも、既に佇まいは老舗そのもの。ボク自身、いわゆるスピリチュアル的なサムシングを感じたりすることは全くといっていいほどないんですが、例外的に感じやすいのは、良い酒場に入ったときに感じる酒場の雰囲気。それが例えば活気だったり、ゆったりした感じだったり、ちょっと緊張感あるけどそれが心地良かったり、といろいろなのですが、この「千」さんは、初めて訪れたときから気さくでお上品な雰囲気、そして良い“気”を感じています。
もちろん雰囲気だけではなく味も保証付き。酒、アテ、ともに種類が豊富で、ホワイトボードにはその日のおすすめの魚介類が。そのどれもがハズレなし、渋谷のド真ん中にありながらコストパフォーマンスもお釣りをもらえるくらいに良い!
(炙り白レバー:550円)
中でも人気料理と謳われているのが「炙り白レバー」「シコいわし唐揚げ」。同行したNさんとS氏も「これは良い!おいしい!」と連呼(笑)。
(シコいわし唐揚げ:500円)
そして個人的におすすめのハムカツに至ってはS氏が「このハムカツは絶対食通の友人を連れてきて食わせます(笑)」とまで言ってくれるじゃあないですか。
(厚切ハムカツ:520円)
「渋谷で困ったら居酒屋『千』がある」。こう皆さんの酒場データベースにインプットしていただけければ幸いです。女子会にも持ってこいですよ!
(山芋千切りや刺身も絶品!)
▼居酒屋「千(せん)」
所在地:〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町26-5 育真ビル 4F
電話:03-3464-2100
JR渋谷駅ハチ公口から徒歩3分、渋谷駅から304m
※情報は2018年5月末時点でのもの。
■文/オカモト “MOBY” タクヤ(Scoobie Do)
結成22年を迎えたロックバンド、SCOOBIE DOのドラマー。2006年には自主レーベルを立ち上げマネージャーも兼任。ドラマーとしても数多くのレコーディングに参加。
昨年10月に13枚目のアルバム『CRACKLACK』をリリースしたSCOOBIE DO。今年2月11日に開催されたZepp Tokyoツアーファイナルの模様が、DVD『Film Funk-a-lismo! ODAIBA CRACKIN’ 23』としてライブ会場&通販限定で発売中。
▼今後のライブ予定
6月は札幌・帯広・旭川をBRADIOと一緒に2マンツアー敢行。8月「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO」出演決定。新札幌・函館でアコースティック・ワンマンライヴを開催、また秋田では酒蔵でスペシャルライブ、八戸でもワンマンも開催する。その他の詳しい情報は公式Webサイトをチェック。