5月28日に心不全で亡くなった「ミスター麻雀」こと麻雀プロの小島武夫さん(享年82)の告別式が6月9日、桐ヶ谷斎場(東京都品川区)で執り行われた。告別式には関係者、ファンを含め約300人が参列した。
ミスター麻雀に感謝の気持ちを告げるため、親交のあった著名人たちも会葬した。芸能界からはタレントの山田邦子、池谷直樹、漫画界からは片山まさゆき、西原理恵子、将棋界からは先崎学九段、相撲界からは元関脇・貴闘力氏、伝説の九蓮宝橙を実況していたフリーアナウンサーの土屋和彦氏らが参列した。麻雀界からは団体の枠をこえ、全プロ団体のプロ達、番組制作会社、出版社等、あらゆる麻雀関係者が惜別した。
日本プロ麻雀連盟からは、現鳳王位の前原雄大プロ、小島武夫さんを父のように慕っていた二階堂瑠美プロ、亜樹プロをはじめ、各支部のプロたちも遠方から駆けつけ、別れを惜しんだ。供花は麻雀対局番組でも同卓した伊集院静、加賀まりこ、風間杜夫、坂上忍、萩原聖人、見栄晴、そして雀鬼会・桜井章一会長からも手向けられた。
弔辞は日本プロ麻雀連盟名誉会長、灘麻太郎プロが「魅せる麻雀」に敬意を表していたことを明かし「80歳を過ぎても、ガキの喧嘩みたいにムキになって麻雀を打てて楽しかったよ」と棺に言葉をかけた。葬儀委員長を務めた日本プロ麻雀連盟会長、森山茂和プロは「麻雀界に光を当ててくれた太陽のような人。これからも麻雀界全体を明るく照らし続けてください」とテレビ対局引退から、わずか1年で逝去されたことに改めて哀悼の意を捧げた。
駆けつけた一般ファンは30代前後の男女が多く見られ、世代を超えて麻雀ファンを惹きつけてやまないことを物語っていた。梅雨入り後とは思えないほど澄み切った青空のもと、稀代の晴れ男は、麻雀プロとしての才能を見出してくれた作家、阿佐田哲也さんの元に旅立った。【福山純生(雀聖アワー)】
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