(日本語も堪能なチャトリCEO(左)。パンクラスの酒井正和代表と。)
アジア最大規模の格闘技イベントで、MMAだけでなく立ち技部門もスタートした「ONE Championship」のチャトリ・シットヨートンCEOが先日、来日を果たした。シンガポールのメガジム「EVOLVE」も率いるチャトリ氏は、今回の来日で「(大会を中継している)AbemaTVや電通、それに選手たちとも話をしました」と言う。7月1日には、新木場スタジオコーストで開催されたパンクラスを視察。大会後に取材陣によるインタビューが行なわれた。
パンクラスを「ブランドのパワーがあって雰囲気も素晴らしい」というチャトリ氏は、鮮烈なKO勝ちを収めた若松佑弥を絶賛。ONE参戦を希望する若松について「必ず契約します。将来、チャンピオンになれる」とも。
AbemaTVとの関係から、格闘技リアリティショー「格闘代理戦争2nd SEASON」の優勝者とのプロ契約も決まっているONE。また毎大会、日本人選手を出場させることにもなっており、ファイターにとっては今後さらに重要な選択肢になってきそうだ。
チャトリ氏は、日本の格闘技とその文化に大きな興味とリスペクトを抱いているようだ。
「日本の格闘技には、長い歴史がある。空手、柔道、合気道に相撲、剣道などです。今の日本のファイターも、非常にレベルが高い。ただ、金銭的には恵まれていないですね。それに環境。ジムの数が多くないし、規模も大きくはない。そういうところを変えていけば、日本のファイターはもっと上に行けると思います。だから、私たちが投資をしていきたい」
単に自分のイベントに強い選手を出したいというだけでなく、積極的にバックアップすることで全体のレベルアップも狙うということか。もちろんそれは、アジアの格闘技全体、そしてONEにとってもメリットがあることだ。
来年の日本大会もアナウンスされ、ファンからの注目はさらに高まりそうだ。日本の格闘技をリスペクトしているからこそ、超えたいという思いもある。
「ONEを、かつてのPRIDE以上のイベントにしたいんです。世界的に見れば、今の(アジア各国でビッグイベントが開催される)ONEはPRIDE以上かもしれない。でも日本では、みんながONEを知っているわけではないですからね。これから一生懸命、頑張りますよ」
日本大会開催までに、ONEにはどんな選手が集まるのか。日本大会にはどんな選手が出場するのか。業界活性化のためにも期待したいところだ。