「僕の家じゃないんですけど(笑)」。そう言って、銀座駅から歩いて8分の高級マンションの部屋を案内してくれたのは、"家を捨てた男"こと市橋正太郎さん(31)。地価日本一を誇る東京・銀座だけあって、2LDKで家賃30万円以上の高級物件だが、市橋さんは民泊仲介サービス「Airbnb」と使って、1泊7000円で借りることができたという。
 京都大学を卒業後、都内の大手IT企業に入社。年収1200万円以上のエリートサラリーマンだったが、半年前、転職を機に「生活環境を変えたい」と家賃13万円のシェアハウスでの生活を捨てた。物に全く執着がない性格だったこともあり、持っていた家財道具や衣類も「メルカリ」に出品して手放した。「箱、ファシリティに数万円を払うのは、すごくもったいないと思ってしまった。家の機能をどんどん外出ししていくことで、もっと豊かに生活できると思う」。