大相撲名古屋場所の一人横綱・鶴竜(井筒)の休場が発表された。3横綱時代にすべての横綱が休場するのは、1999年春場所に若乃花(3代目)、貴乃花、曙が揃って休場して以来の出来事。鶴竜自身としては昨年九州場所以来、10度目の休場となる。
そんな鶴竜に今場所、引導を渡した格好となったのが、五日目の結びの一番において横綱を突き出しで破った前頭三枚目の阿炎(錣山)である。阿炎といえば、五月場所六日目に横綱・白鵬(宮城野)を破り金星を挙げ、直後のインタビューで「もう、帰っていいですか?」発言を行うなど、人気、実力、言動などで今、注目を浴びる力士の一人だ。
その阿炎について、相撲大好き芸人として知られるお笑いコンビ・ナイツの塙氏が言及。「攻めのリズム、テンポが良く、何より相撲が止まらない」と話し、取組の“キレの良さ”を絶賛した。
12日に行われた大相撲名古屋場所五日目、AbemaTVの大相撲中継にゲスト解説として登場したナイツ塙氏は放送前にインタビューに応じ、「引いたり、叩いたりが増えている昨今の取組ですが、阿炎のそれは他の力士とは異なります。追い込まれたからということではなく、自分から攻め、仕掛けていく中での計算された変化なんです。また攻めのリズムやテンポが良く、相撲が止まらない。何よりキレがあるので、観ていて面白いですね」と阿炎の強さと魅力について語っていた。
その阿炎、結びの一番で鶴竜にぶつかると、劣勢の中でも休むことなく突き続け、横綱が“引いた”一瞬を見逃さずにキレのある動きで形勢逆転に成功。一気の突き出しで先場所に続く金星を挙げ、ジャイアントキラーぶりを発揮した。
「やっぱり阿炎は休みませんでしたね。キレもありました」と改めて塙氏に称賛された阿炎は、五日目を終えて2勝3敗。六日目にして全勝は早くも大関・栃ノ心(春日野)と関脇・御嶽海(出羽海)の二人だけ。さらに横綱不在と混迷を極める名古屋場所の台風の目となることができるのか。残りの取組、言動にも一層の注目が集まりそうだ。
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