暑い夏の名古屋で行われている大相撲。今場所は白鵬、鶴竜、稀勢の里の3横綱に加え、注目されていた新大関・栃ノ心まで休場する異常な事態になっている。近年、気温差が激しくなっていることから、力士の体調管理もより難しくなっている。中でも食生活については「体を大きくする」という使命もあるだけに、難易度はさらに上がる。現役時代、糖尿病を患っていた元前頭・若ノ城は現在、介護の仕事に就いているが「食生活は、すごかったですね」と当時を振り返った。
AbemaTVの大相撲中継で久しぶりに相撲の仕事をした若ノ城は現役時代、糖尿病だったことから、他の力士に比べて食生活に気を使っていた方だった。「力士にとって体を大きくするためには稽古と食事。ただ、自分は食べる時は食べて、食べない時はまったく食べませんでした。ダラダラ食べなかったという感じですね。みなさんはお菓子を食べていたけど、自分は食べないとか」と、必要な食事は取ったがそれ以上は取らないようにしていた。
まわりを見れば、間食のお菓子などかわいいもの。幕内平均で160キロを超える巨体にふさわしい胃袋の持ち主たちは、実によく食べる。「朝稽古があって朝ご飯を食べないので、昼と夜にご飯と言いますが、それだけじゃやっぱり足りないんですよ。夜ご飯を食べて、そこでお酒を飲んだりすると夜食がすごいことになるんですよ」と、ここから一般の人であれば夕食で行くような場所を“締め”なのに、はしごすることになる。「焼肉行って寿司行ってとか、うどん食べてから寿司とか。それが締めですからね」。後援会の人々も、力士を連れて食事に行けば、その食べっぷりに「もう1軒」と誘いたくなるのだろう。
年々、大型化する力士の体格。他のスポーツと異なり、圧倒的なサイズを維持するには、コントロールというよりも、むしろどれだけたくさん食べられるか、かもしれない。とはいえ体を壊すレベルでは元も子もない。特効薬のような打開策も見当たらないだけに、力士の食生活と体調管理は難しい課題、永遠の課題と言えそうだ。
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