「いち早く情報を届けたい、報道の支援が必要だ、という被災者の方はLINEで連絡をください」「愛媛、岡山、広島など、各地域の現場を10か所くらい回っている。それぞれ被害状況も背景も違うので、丁寧に聞き取っていきたい」。
個人のジャーナリストとして堀潤氏がインターネットを活用して実践している取材方法だ。これを堀氏は「オーダーメイド取材」と呼び、熊本地震の頃から主に災害の現場から情報を発信してきた。
「災害が発生すると、SNS上に"孤立している、支援物資がない。報道が足りない"といったSOSが寄せられる。それと同時に、誤った情報、思い込みの情報、伝聞に伝聞を重ねて歪んでしまった情報、悪意のあるデマなども拡散してしまうため、本当のSOSにたどり着くのが遅れてしまうこともある。そこで伝えたいことを写真や動画で送ってもらい、僕が調べて確認し、SNSで拡散していく。そしてひとりひとりのところに訪ねていって関係を築く。災害から1か月も経つと、報道の量は少なくなっていく。一方、地元では責任追及の声を挙げにくい空気もあり、報道機関に頑張ってほしいという思いがある。報道機関が社内で合意が取れて初めて取材に行けのに対し、フリーでやっている僕はすぐに行けるし、撮影技術もあるから」。