車いすの人のスムーズな利用を目指し、国土交通省は10月から航空各社に「バリアフリー化」を義務付けることにした。そのきっかけは、あの「バニラ・エア問題」だ。
 去年6月、車いすで生活するバリアフリー研究所の木島英登氏が奄美空港でLCC(格安航空会社)のバニラ・エア機に搭乗する際、同行者の補助で車いすに乗ったままタラップを上ろうとしたところ、職員に制止されてしまった。木島氏は止むを得ず、腕の力を使って17段のタラップを上ることになってしまった。木島さんは一連の経緯を大阪府と鹿児島県の担当者に報告。事態を重く受け止めたバニラ・エアも謝罪し、翌週には奄美空港に電動の階段昇降機を導入した。