日本時間の8月24日に2018-19シーズンのドイツ・ブンデスリーガが開幕する。近年では多くの日本人選手も参戦しており、試合を目にする機会も増えている。中でも今季、一番の期待を背負っているのは、ヴェルダー・ブレーメンに加入した日本代表FW大迫勇也だろう。
早くもできあがっている指揮官との信頼関係
2014年1月に鹿島アントラーズからドイツ2部のTSV1860ミュンヘンへ完全移籍を果たし、海外初挑戦となった大迫。2014年6月にはドイツ1部の1.FCケルンへの移籍が決定し、迎えた5シーズン目となる今季はブレーメンへとステップアップに成功した。
ブレーメンは、ブンデスリーガを4度、DFBポカールを6度制覇しているドイツの古豪クラブ。1991-92シーズンにはUEFAカップウィナーズカップを制するなど、国際舞台でもタイトルを獲得している。
このブレーメン、日本のオールドフットボールファンには馴染みがあるクラブだろう。1981-82シーズンから5シーズンに渡って、“東洋のコンピューター”と呼ばれた奥寺康彦氏がプレーしたクラブだ。そのほかには、元ドイツ代表FWミロスラフ・クローゼ、ドイツ代表MFメスト・エジルなどがプレーしていた。
名選手が所属し、数々のタイトルを獲得してきたブレーメンだが、近年は低迷。2008-09シーズンのDFBポカール優勝を最後にタイトルから遠ざかっており、リーグ戦でも苦しい戦いが続く。昨シーズンは11位と残留争いに巻き込まれた。
そんな中で加入した大迫は、大きな期待を背負っている。入団会見でフロリアン・コーフェルト監督が「ユウヤはすでに何年間もブンデスリーガで実力を発揮してきた。彼がゴールを決め、チームに貢献できることはすでに証明されている。そんな彼が、今隣に座ってくれていてうれしい」と最大級の賛辞を送った。
大迫自身も「監督は(移籍を決めた)とても大きな要素です。僕に何を期待しているかを話してくれました。このクラブのために全力を尽くしたいです」と、関係は良好の様子。さらに、大迫は指揮官の期待にゴールという結果で一発回答した。
18日に行われたDFBポカール1回戦のヴォルマティア・ヴォルムス戦に先発出場を果たし、ブレーメンデビューを飾った。4-3-3フォーメーションの右ウイングでピッチに立つと、9分に左サイドからのFKをボックス中央で待ち構え、ヘディングでゴールネットを揺らしてチームに先制点をもたらした。
66分までプレーした大迫について指揮官は「常にゴールに向かう選手が欲しかった。その中でユウヤは深い位置から走りこむセンスを持っている」と高評価。大迫にとっては順風満帆の船出となった。
さらなる活躍に期待がかかる中、ブンデスリーガ公式サイトは25日の開幕戦となるハノーファー戦で、大迫のスタメン出場を予想。リーグ公式サイトからも、すでにチームにとって欠かせない存在と考えられている。自身にとっても公式戦2戦連発となれば自信もつく。さらにチームの中での地位も確固たるものになるだろう。そういう意味でも大事な開幕戦となる。
予想サイトの『SUPERCHOICE』(スーパーチョイス)では、23日13時時点での大迫のゴール数予想は「0ゴール」が一番人気で1.61倍となっている。次いで人気なのは「1ゴール」で3.78倍。また、ブレーメンとハノーファーの勝敗予想では「ブレーメンの勝利」が一番人気で2.56倍。次いで「ハノーファーの勝利」が2.88倍、「引き分け」が2.97倍となっている。
果たして大迫はブンデスリーガ開幕戦でゴールを奪うことができるのだろうか。その大迫といえば、日本ではサッカー界に限らず有名となったあの名文句。是非ともハノーファーの選手に「Osako Hanpa naitte」と言わせてもらいたい。注目の一戦は日本時間8月25日22:30キックオフだ。
文・川嶋正隆(SAL編集部)
写真・アフロ
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