アメリカでは年間約2万5000件も行われる臓器移植手術。それに対し、日本では年間300件程度にとどまっており、移植の待機中に亡くなった人は6518人(1995年~2018年7月31日現在、臓器移植ネットワーク発足以来の登録者)に上っている。
提供する人と移植を希望する両者が揃って初めて成り立つことから、"特異な医療"と言われている臓器移植。提供側としては、呼吸や心拍が停止したことが確認される「心停止」、脳全体の機能が失われた「脳死」の2つの条件をもって臓器の提供が可能になる。ところが日本では「脳死」を人の死とするかどうかで意見が分かれていたことから、臓器移植は長い間行われず、1997年に臓器移植法が施行されてからも、その件数は少ないままだ。