ふるさとから離れて暮らす納税者が自分の出身地を応援したい、あるいはどこかの自治体を応援したい、そんな気持ちを寄付という形で実現する目的で始まった「ふるさと納税」。納税者側のメリットとしては、寄付額に応じて翌年の所得税や住民税から一部が控除されることや、産地の美味しい食べ物などの返礼品が届くことが挙げられる。
しかし近年では自治体間の返礼競争激化も度々問題視されてきた。昨年度、ふるさと納税による税収を最も多く集めたのは大阪府の泉佐野市だったが、返礼品の豪華な肉の産地は他県。一方、最も少なかった自治体の一つ、愛知県飛鳥村では2000円にとどまった。また、寄付金の使途を選択できる場合もあるが、内容が「医療」「介護」「教育」などとなっているため、本当に自治体を支援したいという思いが伝わっているのか、という見方もある。こうした状況を受け総務省は今年4月、返礼品について"地域を応援する"という本来の趣旨に沿わないとして是正を求めている。