大相撲の秋場所が9月9日から東京・両国国技館で始まる。注目は、なんといっても先場所、13勝2敗で初優勝を果たした関脇・御嶽海(出羽海)。連勝すれば連敗もするという、成績のムラが見えていた中、先場所は初日から11連勝。12日目に大関・高安(田子ノ浦)に敗れた後も崩れず、見事に賜杯を抱いた。秋場所まで10日を切った8月31日。関係者が見守る稽古総見で1勝13敗と大きく負け越したが、本人はケロリ。本場所での土俵で結果を出すと誓う25歳は、巡業中でも「自分のキャラを知ってほしい」と笑顔を振りまいていた。
自身でも想像以上に早かった初優勝だった。あらゆる方向から祝福を受け「先場所の反省点?優勝したから、ないんじゃないですかね」とニッコリした。巡業中は横綱、大関陣から次々と指名を受け、何度も土俵で転がされたが「うれしいですよ。なかなか指名されることがないんで」と、存在感を示せていることを前向きにとらえている。
ファンに見てほしい自分の魅力を聞かれると、相撲の取り口ではなく、真っ先にキャラクターだと断言する。「(巡業などで)絡んでほしいですね。そうしたら意外とお茶目だから(笑)相撲はその後でしょ。自分のキャラをどんどん知ってほしいですね。名前を呼ばれたり、声をかけてもらったりするだけでもうれしいですね」と話す様子は、周囲の人間を引き込む、確実な魅力がある。実際、先場所前に取材に訪れた相撲中継の女性スタッフが、初優勝の瞬間に、御嶽海への感情が高まり、涙してしまったというから驚きだ。
6人いる横綱・大関陣は、高安が一番若い28歳で、その他5人は全員が30代。御嶽海は、先場所の優勝もあり改めて次の角界を背負う次世代エース候補の筆頭に名が挙がった感がある。「九月場所も期待に応えて、いい場所だったと思ってもらいます」と、意気込みについても笑みをたたえながら語った。名古屋場所の優勝インタビューで、大きく両手を挙げて満員の館内から大歓声を浴びた男が、その“天真爛漫力”を携えて、今度は両国の地で大関取りに邁進する。
(C)AbemaTV
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