狙うは大関だけでなく、広く知られる異名だ。9月9日から始まる大相撲・秋場所(東京・両国国技館)で、大関昇進を狙う関脇・御嶽海(出羽海)が「(異名を)いろいろつけてほしいと思います」と“異名襲名”に意欲を見せた。過去には実力のある力士、人気力士には、その特徴や取り口、強さを示す異名がついたもの。「相撲が取り上げられるのは本当にうれしい」と話す御嶽海だけに、自らをより広く知らせるものが欲しいようだ。
力士の異名と聞いて、御嶽海が真っ先に思いつくのが小さな大横綱・千代の富士だった。「最近、名前をつけることがなくなったじゃないですか。前なら強い人に、たとえば千代の富士さんなら『ウルフ』とか」。二所ノ関親方(元大関・若島津)であれば「南海の黒豹」、他にも「角界の暴れん坊将軍」「角界のニコラス・ケイジ」といったように「角界の○○」というパターンもある。
御嶽海については、異名というよりは愛称としてファンから「みーたん」と呼ばれることがある。ただ、容姿や相撲ぶりからついたものは、まだない。まだ相撲に縁がない人が聞いても、その力士が想像できるような異名がつけば、番付同様にその名にふさわしい相撲を取ろうと、張りも出るというものだ。
秋場所ではまずは勝ち越しを目指し、その先にある大関昇進へのノルマ、11勝に向かって前に出る。「これぞ御嶽海の相撲」というものが強さとともに確立すれば、自ずと二つ名も決まってくることだろう。
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