
ZOZOTOWNを率いる前澤友作氏が18日に発表したプロジェクト「#dearMoon」。2023年、最大で8人のアーティストを連れ、費用は約100億円に上るとの報道もある「スペースX」の月旅行に出かける。

この壮大な計画について前澤氏は「生涯にわたる夢だ」と語り、「バスキアが宇宙に行って、月を間近で見たり、地球を俯瞰したらどうなっただろうかと考えた。どんな素晴らしい作品を生んだだろうかと想像するだけで胸が高まる。他にどんな候補がいるか、考え出すと止まらなくなった」と、アーティストに与えるインスピレーションに期待を込める。

■山崎直子氏「宇宙旅行がより身近になることを期待」
宇宙飛行士の山崎直子氏はAbemaTV『AbemaPrime』の取材に「まだ月に行った日本人はいないので、こんな時代になったんだと思ってワクワクした」と話す。

「地球は青い、丸い、美しいということは写真や映像でわかるが、それでも初めて宇宙から地球を見た時にびっくりしたのは、異常に輝いていたこと。仰ぎ見る存在だと思っていた宇宙は闇のように広がっていて、むしろ地球はその中のオアシスのようだった。今まで当たり前だと思っていたことが違ってきてしまう。前澤さんが道を切り開くことで、宇宙旅行がより身近になることを期待したい。たくさんの人を巻き込んで大きなムーブメントにしていただきたい」。
一方、山崎氏は事前にある程度の訓練も必要だと指摘、「非常事態に備え、宇宙船の基本的な構造や応急処置の方法もある程度は学ばなければいけないと思うし、飛行機を使って身体にかかる加速度や無重力をあらかじめ体験する必要があると思う」と話していた。
■「月まで行くと地球が丸ごと見られる」
前澤氏に対し、「スペースX」創設者であるイーロン・マスクCEOも「私たちを選んでくれたことを光栄に思っている」とコメントしている。マスク氏は電気自動車のテスラモーターズ、太陽光エネルギーのソーラーシティを設立した「世界最高の起業家」と呼ばれている。「スペースX」は2002年の創業で、「ファルコン1」(ロケット)を開発。2006年の初の打ち上げでは失敗したが、2008年に打ち上げを成功した。今年2月にも「ファルコンヘビー」の打ち上げに成功している。また、高額なロケットを再利用するといった取り組みにより低コストも実現。宇宙ビジネス業界を変える企業として注目されており、人類の宇宙への移住という大きな野望を持っているとも言われている。

宇宙ビジネスコンサルタントの大貫美鈴氏は、「かなりのスピードでのロケット開発だ。たった1人、たった1社で宇宙ビジネス業界全体の構造を塗り替えたと思う。その後もNASAに代わって貨物便を宇宙ステーションに向けて打ち上げるなど、市場シェアも取り始めている」と話す。

前澤氏らが乗り込む予定のロケットは、再利用型次世代ロケットBFR(ビッグ・ファルコン・ロケット)というもので、全長118m・直径9m、宇宙船の長さは尾翼も含めて全長55mで搭載量は100トン、搭乗人数は12名を予定しているという。月の周りを飛んで地球に帰還。日程は4~5日ほどで、飛行距離は約38万kmだ。

大貫氏は「月まで行くと地球が丸ごと見られるのが、宇宙ステーションの滞在とは違うところだ。アメリカは国家プロジェクトとしてアポロで月に行ったが、今回は国際プロジェクトでもあり、各国からアーティストたちが応募してくると思う。人類の壮大なミッションと言えると思う」。
スペースXと前澤氏によるプロジェクトは、世界をどう変えるのか。5年後へ向けた展開に注目が集まる。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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