近年の格闘技界で、最も成長したカテゴリーは「女子」だろう。
藤井恵、辻結花、しなしさとこといったパイオニアが時代を切り拓き、シュートボクシングからはRENAが登場。なかなか注目度が上がらない状況もあったが、UFC女子部門の創設が一つの起爆剤になった。
現在はWWEで活躍するロンダ・ラウジーが男子をもしのぐ人気選手となってUFC女子を牽引。そんな中、日本でもRIZINが旗揚げの時点で「女子にはめちゃくちゃ力を入れます」(榊原信行実行委員長)と公言。旗揚げの大晦日大会でRENAがMMAデビューを果たし、その人気と知名度を飛躍的に高めた。さいたまスーパーアリーナの大舞台、MMA初挑戦にして飛びつき腕十字でのフィニッシュはインパクト絶大だった。
RENAに続き、女子レスリングのレジェンドである山本美憂もRIZINに参戦。KINGレイナといった新生も現れた。
もはやRIZINにとって女子の試合は欠かせない。昨年の女子GPでは、決勝戦で浅倉カンナがRENAに一本勝ちするというドラマティックな結末に。今年7月の再戦も大いに盛り上がった。
浅倉は女子イベントDEEP JEWELSでのRIZIN女子GP出場者決定戦に勝ってチャンスを掴んだ。RIZIN女子の盛り上がりに呼応するかのように、大舞台を目指す選手たちの場であるJEWELSの人気もアップしている。
今年に入ると、アメリカの女子団体インヴィクタでチャンピオンになった浜崎朱加もRIZINに参戦。9.30さいたまスーパーアリーナ大会では、JEWELS王者の黒部三奈と「実力日本一決定戦」と言うべき一戦を行う。
立ち技ではKrush王者のKANAが試合ごとにレベルを上げ、11月3日には2度目のK-1参戦を果たすことに。目指すはK-1での女子王座制定、トーナメント開催だ。
また組み技の世界に目を移すと、柔術世界大会で4連覇を果たした湯浅麗歌子という超強豪がいる。その湯浅は、桜庭和志がプロデュースするグラップリング団体戦・QUINTETに参戦することになった。しかも、9月23日開催のアマチュア大会だ。世界トップの柔術家が参戦することで、QUINTETのプロ部門でも女子大会開催の機運が高まるかもしれない。
もう一つ、女子格闘技熱の高まりを感じさせるのがAbemaTVの格闘ドキュメンタリ「格闘代理戦争」だ。1stシーズンがK-1、2ndシーズンはMMAで行われ、レジェンドファイターが推薦する選手が賞金とプロデビューを目指してしのぎを削ってきた。
そして3rdシーズンは、女子MMA編として実施。女子プロレス団体・アイスリボンの人気選手であるジュリアも参加するだけに、これまで以上に話題となるかもしれない。
プロのトップからアマチュアまで、層の厚さはレベルの高さにもつながってくる。様々なイベントでの女子の活発な動きに加え、新たなスターの誕生にも期待したいところだ。