将棋の王位戦七番勝負第7局が9月26、27日、東京都千代田区の「都市センターホテル」で行われ、豊島将之棋聖(28)が菅井竜也王位(26)を127手で下し、七番勝負を4勝3敗とし、王位のタイトルを獲得した。豊島棋聖は、今年7月に羽生善治竜王(48)から棋聖位を奪取し、自身初タイトルとなっていたが、これに続き王位も奪取。一気に二冠達成となった。
![豊島将之二冠誕生!菅井竜也王位にフルセットで勝利 複数冠は1人だけ/王位戦七番勝負第7局](https://times-abema.ismcdn.jp/mwimgs/a/f/724w/img_afc84975295268657fbc26830dbc0287449553.jpg)
第1局から菅井、豊島という順にすべて先手番が勝利していた今回のシリーズで、最終第7局は振り駒で豊島棋聖が先手番に。2日目の昼食休憩以降に、一気に激しい戦いに突入すると、終盤で鋭い手を繰り出した豊島棋聖がリードを広げて押し切った。対局後、豊島棋聖は「ずっと難しくてよく分からないまま指していました。(七番勝負は)苦しい戦いが多かったような気がします。自分の実力は出せたと思います」と、物静かに二冠達成を振り返っていた。
豊島棋聖は2007年4月に四段昇段を果たしプロ入り。竜王戦1組、順位戦A級と、最上位組に位置し、トップ棋士相手にも高い勝率を誇り続けていたが、なかなかタイトルには縁がなく「無冠の実力者」と呼ぶ声も多かった。今年7月、通算5度目となるタイトル挑戦で棋聖位を奪取し、初タイトル。続く王位の獲得で、現在の棋界では唯一の複数冠となった。また順位戦A級では現在3戦全勝と好調。佐藤天彦名人への挑戦権争いでもトップを走っているだけに、一気に「豊島時代」が本格的に到来する可能性がある。
◆8大タイトルの保持者一覧
羽生善治竜王(48)、佐藤天彦名人(30)、高見泰地叡王(25)、豊島将之王位・棋聖(28)、中村太地王座(30)、渡辺明棋王(34)、久保利明王将(43)
(C)AbemaTV