株式会社博報堂DYメディアパートナーズによるチーム「赤坂ドリブンズ」は、最高位戦日本プロ麻雀協会のAリーガー・園田賢をドラフト1位で指名した。園田は第一回麻雀駅伝2017にRTDルールで出場し、独走していたアマチュア連合を最終日にギリギリまで追い詰め、プロの矜持を見せた。そして第二回麻雀駅伝2018では、前年度のリベンジを見事に果たし、最高位戦日本プロ麻雀協会の優勝に貢献した。
特筆すべきは、Mリーガー21人中で唯一のサラリーマンプロ雀士ということである。 麻雀プロには、麻雀のみの「専業」という人は少なく、むしろ別の仕事を持っている「兼業」がほとんどで、中でも麻雀店で働いているプロ多いのが現状だ。一般企業で働きながらのプロ活動に関しては「片手間のつもりはありません。ただ否定する人も出てくると思うんですが、否定するなら勝ってから言ってくださいというのが今の本音です」というが「将来的には、僕のようなサラリーマンMリーガーは淘汰されるべき」と麻雀プロの未来に自ら警鐘を鳴らす。
その理由は「プロを名乗る以上は、大半の時間を研究と勉強に費やすべきであって、それをしないと勝ち上がれない世界にするべき」と園田自身が思っているからだ。ただ現状では「日々生活するために麻雀店で働くことと、僕のようにサラリーマンとして仕事をしていることは、さほど変わりはない」と捉えており「Mリーグが発足するまでは、麻雀の練習量が足りていないとは全然思っていなかったのでなんとか勝負になっていた」と感じていた。
しかしMリーグ発足にあたり「今後、他のプロ達が自分の時間を麻雀の研究に費やす時間が増えてきたら、僕は通用しなくなるかもしれない」と麻雀を愛するがゆえ、麻雀プロの世界がさらなる高いステージに成長していくことを望んでいる。
赤坂ドリブンズを率いる越山剛監督も、最高位戦日本プロ麻雀協会に所属するサラリーマン雀士であることも心の支えになっている。「ドラフト以降、ミーティングや練習の中で、監督からはことあるごとにメジャーリーガーのイチロー語録を教えてもらっています。例えばファンに対する向き合い方。『頑張るから応援してください』ではなく『応援して頂けるように頑張ります』。これがプレイヤー側の立ち位置である」と肝に銘じるように言われたという。
園田の麻雀は「飽きない麻雀をお見せ出来ると思います」と断言できる引き出しの多さが特長だ。「とくに河の作り方。ストレートにアガリに向かうのではなく、河を作って相手が真っ直ぐ打てないような状況にしてからアガリに向かった方が得な場面もあるんです」と、数多くの“変化球”が視聴者の方にとって何かしらの発見につながればと願っている。
赤坂ドリブンズのコンセプトは「選手の技術や経験、客観的なデータ、ファンと一丸になった体制など様々な基点をもとに賢く力強くドライブし、麻雀競技の未来を発明します」。
今後、Mリーガーを目指すプロたちが、将棋や囲碁のプロ棋士同様に研究と研鑚に時間を費やしていくことで、兼業プロは減っていくのか否か。10月1日、Mリーグ唯一のサラリーマンプロ雀士が、己の存在をかけて第一打を放つ。【福山純生(雀聖アワー)】
◆園田賢(そのだ・けん)1980年11月25日、兵庫県生まれ。A型。最高位戦日本プロ麻雀協会所属。主な獲得タイトルはThe ALL Star League2017優勝、第二回麻雀駅伝2018優勝他。一般企業に勤務するMリーガー唯一のサラリーマンプロ雀士。愛称は「そのけん」。
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