9月30日に開催された「RIZIN.13」さいたまスーパーアリーナ大会で、史上初となるマッチメイクが実施された。
(インタビュースペースでの鉄拳プレイヤーたち。彼らも“RIZINファイター”だ)
それは、大会の正式な対戦カードとしてeスポーツの試合を行なうというもの。バンダイナムコの人気ゲーム「鉄拳7」が、MMAやキックボクシング同様、RIZINの「競技種目」として採用されたのだ。
今回の対戦は日本と韓国のプロプレイヤーが3vs3で闘う団体戦。1試合目のタケ。vsシャネルはタケ。が勝って日本が先取。しかし2試合目は世界王者のクダンスがノビを下して韓国が並び、最後は韓国のニーがノロマを倒し、韓国チームが2-1で勝利を収めた。
単にゲームのPR、コラボ企画というだけでなく、eスポーツの「試合」なのが大きなポイント。日韓団体戦はプロ同士の闘いであり、選手たちの扱いはアスリート、つまりRIZINファイターだ。
実際、試合前には“煽りV”が流され、選手たちは格闘家同様に花道から入場。リング上での対戦、そのゲーム画面は場内のビジョンに映し出された(格闘技ファン対応の場内実況つき)。試合後にはラウンドガールからトロフィーの贈呈、さらにマイクアピールも。
RIZINだけでなく、鉄拳プレイヤーたちにとってもこのようなシチュエーションは初。インタビュースペースでコメントするのも格闘家と同じで、大舞台での緊張を語る選手もいれば「プレイ中は集中できました」という声も。RIZINファイターとして扱われる経験も新鮮だったようだ。
初の試みだけに、今回は観客の反応も含めて実験という位置付けだったが、この日は台風の接近によりJRの夜間運休がアナウンスされており、試合順も変更することに。
この「鉄拳7」対決は那須川天心vs堀口恭司というメインカードの後に回り、帰宅せざるを得ない観客も多かった。
そのため「効果測定がしきれなかった」とRIZINの榊原信行実行委員長。しかし内部での感触は上々で、「『鉄拳』のチームからは大舞台でチャレンジできたことに感謝してもらいました。なんでも続けていくことが大事。RIZINとしてeスポーツに参入していきたい。年末にもチャレンジを」と前向きだ。
理想は、eスポーツの普及にRIZINが貢献しつつ、格闘技とゲームそれぞれのファンへの間口を広げることだろう。ゲームという一大人気ジャンルにアプローチすることは、RIZINの世界観を大きくすることにもつながる。