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 3日、第4次安倍改造内閣が本格始動した。閣僚人事をめぐって論功行賞、派閥均衡など様々な見方が飛び交う中、3日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、石破派の広報戦略を担う平将明衆議院議員を招いて話を聞いた。

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 まず、新閣僚の顔ぶれについて平氏は「まあまあの改造だったのではないか。政治力で突破しないといけない課題の残る外交、経済に次世代のリーダーである河野さん、世耕さんをちゃんと残した。あまり話題になっていないが、ここは評価してもいいと思う。また、岩屋さんは防衛のスペシャリストだし、文科の柴山さんは正義感がスーツを来ているような人で、コーポレートガバナンスにも詳しい。文科省の組織立て直しに強いと思う。片山さつきさんも含め、自分の言葉で話せる人たちだ。ただ、石破さんも主張しているダイバーシティ、インクルーシブという観点からすると、女性のボリューム感が足りない。また、民間登用がない。石破派が政権を取った場合、民間人の女性で登用しようと目をつけている人がいた」とコメントした。

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■山下法相抜擢にまつわる憶測は「邪推だ」

 今回の人事で注目されたのは、総裁選で安倍総理営と激しく争った石破派の処遇だ。総裁選期間中、安倍陣営から「辞表を書けと言われた」と発言して物議を醸した唯一の石破派閣僚・齋藤前農水大臣は予想通りの交代となった。

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 「改造内閣に石破派のポストはないのでは」との声も聞かれる中、石破派の当選3回の若手、山下貴司氏が法務大臣に抜擢された。元検事で、上川前法務大臣のもとでは大臣政務官を務め、"法務行政のエキスパート"として知られる存在だったという。山下氏は安倍総理から指名を受けたときのことについて「"私でよろしいんですか"と申し上げたが、"もうこれは、とにかく新しい国づくりのために一緒に頑張ろう"というふうなお言葉をかけて頂いた」と話している。

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 当選回数の多い石破派幹部を飛び越す異例の抜擢に、"派閥の不和を狙った人事"と勘ぐる声もある。テレビ朝日政治部の細川隆三デスクは「石破派の中心的人物、ベテラン勢を入閣させなかった。これは安倍総理の"石破派への嫌がらせ"だ」という見方をしている。しかし石破氏は2日、「それは邪推だ。楔とか揺さぶりとかご懸念には及ばないが、私も派閥を預かる者としてそういうことがないようにはよく配慮していかなければならないと思う」と答えた。

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 圧力発言問題について平氏は「誰が言ったのか分からないし、本当かどうかも分からない」とした上で、「邪推だと思う。総裁選の後なので、どうしても派閥均衡にならざるを得ない。安倍さんを応援した派閥も人も多いので、本来は石破派からの起用はゼロであっても不思議はなかった。むしろ『何で石破派から取るの?』という声もあると思う。そんな中で、配慮してもらったと思う。確かに石破派の"中心人物"といえば事務総長の古川さん、政策委員長の赤沢さん、そして広報委員長の私などだと思うが、ガチンコの総裁選をやった我々としては初めから入閣を希望もしていないし、そんな人を入れるはずはない」と主張。

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 斎藤氏・山下氏の抜擢についても「そもそも齋藤健さんは非常に能力の高く、日本の農業が保護的な政策から経済成長的な政策にシフトするという大事な時に抜擢された。これから日米通商交渉もあるので、続投させてもいいのではないかという声もあった。齋藤健さんが抜擢された時も分断工作ではないかと言われたが、結果としてそうはならなかった。斎藤さんの次に石破派からとなると、やはり極めて能力の高い山下さんは有力候補だった。法務相が就労ビザの改革を抱えている今、山下さんが抜擢されたのは能力があるからだ。彼はまだ3期生だが議員立法を7本くらいやっている。IOCにも求められていた高額チケットの転売問題の解消は関係省庁も多く、難しいテーマで、アメリカにもヨーロッパにも先行する規制はない。そんな中、山下さんは衆議院法制局を完全に使いこなし、全ての役所を呼んで規制を作っていた。大きな枠組みも作れるし、法律の一言一句の意味もよく理解している。国会議員は"ローメーカー"、法律を作る人だが、彼はまさにローメーカーだ」と説明した。

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■「石破氏は次の総裁選も目指す」

 今回の総裁選で、自らの政策を伝えるために近未来短編小説『柔らかい日本 あるいはイシバ内閣にワタシ達が夢想する未来』を作った石破派。平氏は「政策パンフレットは正確に政策を伝えようとすればするほど役人っぽい言葉になってしまい、読む気がしない。そこで個人の生活にブレイクダウンした短編小説にしてみようと。地方創生はこうなって、ダイバーシティ、インクルーシブな社会になるとこうなるというのを、大学3年生のシングルマザーを主人公にして書いた。これからは頭を切り替えないといけない。小説で政策を訴えようという考え自体もなかったと思う。そもそも我々は頭が固くて、大学生といえば18歳から22歳くらいだと思っている。しかし、これも思い込みだ。今は飛び級の人もいれば、50歳、60歳の人もいる。出生率の低迷、人口減少、生きにくいと思っている人が多い社会の中、色々な価値観が許容されるようにしないといけない。自民党のゴリゴリの保守のおじさんからは怒られるが」と説明した。

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 総裁選で石破氏は党員票の45%を獲得したことから、"善戦した"とも言われる。平氏は「400人近い国会議員がいる中、20人から始まった。議員票が9対1なら、党員票も9対1になるはずが、そこで45%も取れたということは、安倍さんへの批判や石破さんの政策への評価の現れだと思う」とし、「(石破氏は)次の総裁選も目指す」と明言した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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