8月に横浜文化体育館大会を開催、「女子プロ全盛期再興」を目指すアイスリボンが、次なるビッグマッチを10月8日に行なう。会場は“聖地”後楽園ホールだ。
(団体を引っ張る取締役選手代表の藤本(右)と「格闘代理戦争」参戦のホープ・ジュリア)
メインイベントは星ハム子&宮城もちvs柊くるみ&つくしのインターナショナルリボンタッグ選手権。実力、実績ともに充分な4人だけに“品質保証”のメインと言っていい。ハム子の娘、15歳の星いぶきがアジャ・コングと対戦するシングルマッチも要注目。
さらに今大会は、11:30からの第1試合も見逃せないカードになっている。団体の頂点であるICE×∞王座を持ち、取締役選手代表も務める藤本つかさと世羅りさの対戦だ。
世羅も女子電流爆破王座「爆女王」の現王者であり、アイスリボン内での戴冠歴も豊富なエース格。藤本vs世羅はアイスリボンの頂上決戦とも言える試合なのだが、なぜかオープニングマッチで組まれることになった。
この対戦を望み、またノンタイトル戦としたのは藤本。第1試合であることにも意味があるという。観客の心をつかみ、興行を盛り上げて勢いをつける重要なポジションだけに、若い選手たちにお手本を示したいという気持ちがあるようだ。
(試合のヒントを記者会見で提示した藤本。対戦相手の世羅が解説を試みるも「東京ラブストーリー」世代ではなかった)
とはいえ、試合形式が当日発表とされていることなど、謎が多いマッチメイクでもある。大会に向けた記者会見で、藤本はいくつかのヒントを取材陣に提示。それは「時間」「重大発表」「〇」「消」「東京プロレスラブストーリー」というもの。最後のヒントについて、世羅は「(東京ラブストーリーは)自分が生まれた年のドラマなんでよく分からないですね。世代じゃない」とコメント。ちなみに藤本も「私も世代ではないです」。最近の再放送でハマったとのこと。
藤本はこのところ「時間がない」と口にしており、そのことと今回の世羅戦、「重大発表」「消」がどう関連しているのかも気になるところ。いずれにしても、この好カードを見るためには遅刻厳禁だ。
第2試合には、AbemaTVの「格闘代理戦争 3rdシーズン」女子MMA編への参戦でも話題のジュリアが登場。真琴、テキーラ沙弥と組み松本都&松屋うの&本間多恵と対戦する。
短い練習期間ながら、プロレスラーの強さと凄味を見せつけるべく「格闘代理戦争」に乗り込んだジュリア。番組では“元キャバ嬢”という部分がクローズアップされていたが、レスラーとしての人気、実力も上昇中だ。昨年10月にデビュー、地道に力をつけ、8月の横浜文体で初の自力勝利を挙げた。
(バラエティに富んだ選手層で人気のアイスリボン。女子プロレス“メジャー化”を狙う)
「それまで自分に自信がなかったけど、あきらめなくてよかったです。勝った喜びを味わって、どんどんやる気に満ちてます」
現在の心境をそう語ったジュリア。アイスリボンの10月・後楽園大会は昨年デビューした舞台でもあり、先輩相手に勝利することで飛躍につなげたい一戦となる。そのためにも、まずは松本都の不規則きわまりないファイトに気をけたいところ。
華やかさがある一方で試合は激しく、なおかつ記者会見などで相手の精神的急所を刺すようなエグい舌戦を展開する怖さもあるのがアイスリボン。デビュー10周年を迎えた王者・藤本が引っ張る中、ジュリアをはじめ新人が次々と育っていくのも団体の強み。始まるまで何があるのか分からない第1試合から、アイスリボンならではの世界観を楽しみたい。
文・橋本宗洋