ミュージシャンの内田裕也が、14日、よしもと祇園花月で行われた京都国際映画祭『内田裕也ロックンロールムービーvol.5 “転がる魂・内田裕也 ザ・ノンフィクション”』上映に、崔洋一監督とともに、エルヴィス・プレスリーの楽曲に乗せて登壇した。

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 9月15日に亡くなった夫人の樹木希林が、ナレーションを務めていた本作。内田は、「先日、他界しました樹木希林さんが出ていましたので、ちょっと動揺を隠せなかったですけど。また一緒にスクリーンで観てくれて、うれしかったです。ありがとう」と、集まった観客に改めて感謝の気持ちを伝え、場内からも温かく心強い声援が送られた。

 内田裕也、78歳、現役のロックンローラーが主人公の本作では、内田が今もライフワークとしてステージに立ち続ける『ニューイヤーズワールドロックフェスティバル』に取り組む様子に密着。記念すべき45回の節目を迎えた昨年、最後の力を振り絞りながらロックフェスを全うしようとする内田の、日常やリハーサルに張りつき、撮影時間はなんと300時間。波乱と矛盾に満ちた人生とともに振り返る。内田の日常に迫るのは、40年来の親交がある映画監督・崔洋一だ。

 京都国際映画祭にはスタート時から毎年参加し、今回で5回目となった内田。これまでを振り返ると、「最初の頃は戸惑っていましたけど、やっているうちに愛着が湧いてきました。さすが京都、文化の街だと再認識しました」と唸り、少し出しづらそうな声に関しても「1杯飲んだら治る」と笑いに代え、これには崔監督も笑顔で同意。

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 実は、観客と一緒に上映を楽しんでいたという内田。「照れながら拝見させていただいた。なかなか日本では珍しいドキュメンタリーと、手前味噌ながら感心しました」と、うれしそうに評した。「僕はあまりメジャーで成功したことがなかったので、とても感無量で観させていただきました。これはまた、今後の俺のロックン・ロールライフにとても大きなパワーとなって繋がると確信しています。ありがとうございました」と、溢れ出る想いを言葉にしていた。

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取材・文:赤山恭子

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