9月30日に開催された『RIZIN.13』で、アンディ・ウィンを相手に判定勝ちを収めた山本美憂。

試合前の18日に、弟である山本“KID”徳郁が他界。しかし美憂は「欠場することは全然考えてなかったです」と、一切の迷いがなかったと当時を振り返る。

理由について「うちの母が亡くなって、KIDは3日後ぐらいに大学の全日本選手権に出て優勝したんですよ。『出なかったら、母ちゃんが何て思うか分かるだろ?』みたいな」と、KIDもかつて肉親を失った状況でも試合に挑んでいたと語り「これで出なかったら『お前辞めろよ』って言われるだろうと思って」と、KIDへの想いもあって出場を決意したという。

アンディ戦での入場曲に、KIDの入場曲である『I Believe』を選んだことについては「こんなにみんなに愛されて、こんなにみなさんが愛してくれてって思ったら、やっぱりあの大きい会場でもう一回『I Believe』をみなさんに聴かせてあげないと、と思って。あれは、だから自分のためっていうよりも、ファンの人たちのために感謝の気持ちで」と、ファンへの想いを語った。

試合終了直後の心境については「いろんな我慢してたものがフワーって抜けて、ガクンってなったというか」と振り返り「これ誰に、どうやって報告したらいいんだろう? いないのに」という気持ちが沸き上がったそうで、「リングの上で泣いてたのは、うれし泣きっていうよりも結構パニクってたとこもあるんですよ」と赤裸々に告白する。

さらに、死闘を繰り広げたアンディに抱きついた際に「勝ったけど、いないし」と思わず口にすると、アンディは「大丈夫、見てるから」と優しく言葉をかけてくれたそうだ。

「9月の試合出るって決めて、それで(KIDが)喜んでくれて。でも、そこからすごく体調がつらくなってたから、まずここを頑張ろう、頑張って1年で身体を元に戻して、1年トレーニングして2年後『RIZIN』一緒に出よう、それまで美憂頑張るから」と、KIDとともにリングに上がることを信じていた美憂。

「それが自分の最後の試合でもよかったくらい、やっぱり憧れの人と一緒に試合に出たかったです」と涙ながらに様々な想いを吐露した。

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