小泉進次郎が自民党政務調査会の厚生労働部会長に就任することが決定した。自ら望んだポストだというが、その胸の内は。18日放送のAbemaTV『NewsBAR橋下』で、橋下徹氏とゲストの細野豪志氏が議論した。
細野氏は「事前審査といって、法律案や予算案は基本的に与党が了承していない限り閣議では決めない。そのうちの厚生労働分野はすべて小泉さんのところを通るということ。閣僚ではないが、重い役職だ。これまで復興や農政をやってきたが、厚生労働は医療福祉団体の数も多く、利害調整はものすごく大変だと思う。ただ、これまで"次世代のために"とか、"全世代型社会保障"といった、彼のやりたいことはできる思う」と話す。
「この"全世代型"というのは実はオブラートに包んだ言葉で、実際は高齢者に偏っていたのを若い世代、現役世代にも重点を移していこうということ。小泉さんは以前、経団連の幹部などに"年金を辞退してください"という、かなり勇気のある発言をしている。私も1度目の選挙、28歳のときに同じようなことを言ったら大変な目に遭った。年配の人に厳しいことを言うのは根性がいる(笑)。当時はまだ戦争で苦労された昭和一桁生まれ、大正生まれの方々が70代だったので、"若造のくせになんだ"というのがあった。でも今70代は、自分たちの子ども世代である40代、40代がそれほど豊かではないこともわかっている。ある程度所得のある高齢者がいる家庭は贈与税の控除で恩恵を受けているので、"貧しいところにちょっと分けてもらえませんか"と言えば、それはダメだとは言わない。だからちゃんと言える時期が来ているし、政権もその必要性を感じていると思う。そこで小泉さんがやりきれるかどうか注目だ。でも、橋下さんも"バスチケットを廃止します、おばあちゃん、いいですね?"って演説、やりましたよね。あれを見て、すごいなと想いましたよ(笑)」。
すると橋下氏は「ちゃんと言えば納得してくれると思う。ただ、その前提として政治家たちがまず自分たちの給料を削るとかしないと。当時大阪市では地下鉄とバスが無料になる『敬老パス』に年間130億円突っ込んでいて、70歳以上はタダであっちこっちに行けていた。だから年間3000円、1回乗るのに50円、子ども料金より安いから、負担してくれと言った。そうしたら"橋下さん、いいかげんにしてよ、私は敬老パスを生きがいにしてきたのに""家に閉じ籠もっと言うんか"と言われた。でも、"本当に腹立つけど、あんたが給料を削って退職金もなしにしているのもわかっているし、東京出張でも安いホテルに泊まっているのもわかってる。そこまでやってるんやから、しゃあないわ"と言ってくれた。でも大阪市議会では"高齢者が表に出なくなるので、足腰が弱くなる。橋下はお年寄りを不健康にするのか"と言われた。でも選挙になったら、そんなおじいちゃん、おばあちゃんたちが大阪市中を駆け回って"橋下落とせ!橋下落とせって!"って言ってた。"敬老パスいらんやん!"って(笑)」。
その上で橋下氏は"5流政治評論家"みたいだけど…と切り出し、「永田町では小泉さんへの期待は高いし、これからの日本を引っ張る人だと言われているが、総裁選での安倍さんを支持するか、石破さんを支持するか、という場面での言動を見ていて、大人を通り越して、ものすごく"おじいちゃん臭"がすると思った。ああいう形で上手く、丸く収めるのが、やっぱり"ザ・自民党政治家"だなと思った。閣僚や政府側に行けば厳しいことも言われるが、部会長なら案を承認したり修正させたりするような立場だから、いわば安全圏。先にそっちに行くのかとおもった。いわば安全圏。自分の方から"こういうのをやりましょう"と言って取りまとめるんだろうか。もしそれをするんだったら凄いと思う」と指摘。「こういうこと言うのは無責任極まりないよね。僕だったらカチンとくるもん(笑)」と話していた。(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)