32歳まで社会人野球で現役を続け、33歳で現在のプルデンシャル生命に転職。生命保険という商品を扱うためには「お客様と生涯のお付き合いになる」という考えから、より人間関係を深めることに役立つビジネス上のコミュニケーションツールとして、38歳でゴルフを始めた。やると決めたら全力投球。その競技熱はあっという間に沸点に達し、気づけばベストスコア「65」を叩き出すプロ顔負けの腕前に上達していた。
金井篤司さん(54歳)。 今年9月に行われた「日経カップ 企業対抗ゴルフ選手権2018」(主催・日本経済新聞社)で、国内有数企業のゴルフ部を押さえて頂点に立ったプルデンシャル生命・ゴルフ部「カミカゼ」のキャプテンを務める人だ。
「私たちの仕事は、短期的な営業成績だけではなく、お客様との一生涯の付き合い。だからこそ、長く付き合っていきたいと思える方か否かを見極めるには、1日の時間の大半を共に過ごし、人間性を深く知ることもできるゴルフが役立ちます。ただ、少しばかり競技熱が高まってしまいましてね――」
聞けば「少しばかり」ではない。オンとオフを両立するスタイルがいかにも特徴的だ。
アマチュアの試合が行われる4月から6月は、毎月10~15ラウンドをこなしながら試合出場を優先。一転して試合の無い12月から3月は仕事に没頭する。フルコミッション制で個人に裁量が委ねられた評価制度とはいえ、一般的なサラリーマンの感覚からすれば極端であることは言うまでもない。
「ゴルフのオンシーズンである期間は数字がほとんど上がらないので、ゼロということはありませんが、ほぼ仕事をしていないに等しい状態です。その代わり、12月10日から3月15日の期間は、月に1ラウンドするかしないか。ゴルフからは離れ、仕事に没頭しています」
成果に連動した報酬制度であることを考えれば、生活を脅かすリスクは必然的に高くなる。そのことについて、「怖さ」は無いのか? 金井さんの答えは、全くの逆だった。
ドキドキ、ワクワクを原動力に変える
「もちろん最初は怖さがありました。ただ野球で例えるなら、冬場の走り込みなど、バットとボールをあまり握れない日々が続くと、野球がやりたくて次第にウズウズし始め、シーズンを迎えるときはワクワクが止まらなかった。一時期、仕事をしながら年間150ラウンドをこなした時期もありましたが、その時は逆にゴルフが面白いと感じられなくなってしまった。仕事もゴルフも同じで、力を発揮するには、ドキドキとワクワクが強いモチベーションになります。その気持ちを保つことが、目標に向かって自分自身を突き動かす原動力になる。ただし、毎週月曜日と木曜日に出社すればいいという弊社のルール。私のやり方に理解を示し、応援してくれる支社長の堂薗千尋さんにも助けられていますけどね」
独自のスタイルを確立するために、仕事へのアプローチを変化させた。個人より大きな扱いとなる法人へマーケットチェンジを行いながら、年間の動き方、働き方をコーディネートし直したことで、ゴルフと仕事の両輪が、さらに勢いを増して回り始めたという。
金井さんが公私ともに大切にしていること。それは「正直に、あるがままに」だ。
「嘘というのは、たとえ一つでも心に残ります。私はとくに小心者なので、嘘が心に残るとあれこれ気になってしまい、次の一歩が踏み出せなくなる。だから仕事でもゴルフでも、どんな時であっても正直であることを大切にしています。ゴルフに関しては、“あるがまま”が真髄だと思っていますし、仕事においてもそんな自分の姿を見ていただき、評価してもらえた先に契約がある。常に自分自身に正直でありたいですね」
そんな金井さんは10月24日から茨城県・取手国際ゴルフ倶楽部 東コースで開催されている男子プロのAbemaTVツアー最終戦「JGTO Novil FINAL」への参戦している。
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