現在、Krushのリングではスーパー・バンタム級の新王者を決めるトーナメントが行なわれている。
9月大会では椿原龍矢、軍司泰斗がそれぞれ勝利し、準決勝での対戦が決定。Krush新世代の旗手とも言える2人の闘いだ。
これに続き、10月28日の後楽園ホール大会では大岩翔大と玖村将史、ビクトー・サラビアと桝本“ゴリ”翔也が1回戦で対戦した。
ここで強いインパクトを残したのが玖村だ。パンチ、蹴りをバランスよく繰り出しつつ、フィニッシュはローキックに合わせた左フック。1ラウンドでのノックアウト勝利だ。
もう一つの1回戦では、階級を変えて王座獲得への執念を見せる桝本にサラビアが勝利。元ギャングで、ストリートファイトで小遣い稼ぎをしていたという経歴を持つサラビアは、今回がKrush初参戦だ。
これまでK-1に2度参戦し、武尊、武居由樹とチャンピオンに敗れているサラビア。今回のトーナメントこそ正念場であり、真の実力測定の場だと言える。
試合は延長にもつれ込む接戦、しかもスプリット・デシジョン(判定2-1)となったが、サラビアは日本初勝利を収めた。圧力をかけてくる桝本に対し、足を使いながら的確に攻撃を当てていったあたりは、やはり国際レベルのファイターだ。
あらためて「ベルトは必ず獲る」と宣言したサラビア。KOで勝った玖村も自信をつけているはずだが、サラビアの地力も油断できない。今回の試合で接戦を制した、つまり長い闘いを経験したことでKrush/K-1での闘いに慣れたという効果もあるだろう。サラビアは試合を「イメージ通りだった」と語ってもいる。
準決勝は12月の後楽園大会。新世代と外国人のタイトル争い、その行方は予測不能なだけに楽しみだ。