戦時中、徴用工として日本で働いた韓国人4人が新日鉄住金を相手取った訴訟で、韓国の最高裁にあたる大法院は30日、日本円で約4000万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
 徴用工とは、第二次大戦中(1944~1945年)、日本統治下の朝鮮半島から強制的に徴用され、北海道や樺太、九州の炭鉱などに動員された労働者のことで、その労働は過酷を極めた。戦後、140万人が朝鮮半島に帰還している。
 そんな元徴用工をめぐる訴訟の発端は1997年に遡る。元徴用工の韓国人男性2人が新日鉄(当時)に損害賠償と謝罪を求めて大阪地裁に訴訟を提起。しかし大阪地裁は「新日鉄は当時の債務を継承せず」として請求を棄却、最高裁も上告を棄却し、原告の敗訴が確定した。そして2005年、敗訴した2人を含む4人の韓国人男性が韓国の地裁で新日鉄を提訴。1審・2審ともに「日本の確定判決は韓国でも効力が認められる」として請求が棄却された。しかし2012年、大法院が「個人での請求権は消滅せず」という初の判断を下し、2審判決を破棄して高裁に差し戻していた。