
まだタイトルを獲得してはいないが、芦澤竜誠はK-1に欠かせない主力選手になった。6月にはフェザー級トーナメントでベスト4。そこで因縁が生まれた小澤海斗にツイッターで呼びかけて9月大会での対戦を決めると、舌戦、乱闘騒ぎの末にダウンを奪い快勝してみせた。さらに11月大会にも連続出場。Krush、K-1でベルトを巻いたベテラン・卜部弘嵩と闘う。「卜部兄弟のことは認めている」という芦澤だが、試合を前にインタビューしてみると、やはり舌鋒は鋭かった。
――6月、9月に続いて11月もK-1出場と連戦になります。
芦澤 問題ないですね。よく練習量のこと言われますけど、練習時間って1日30分であっても100に持っていければいいだけの話なんで。100っていうのは息を上げるのと、あとキレ。ミットやれば分かるんすよ。俺からしたら、みんなオーバーワークなんですよ。休んでもコンディションは戻せるし、特に今回は試合間隔が短いんで戻しやすい。
――9月の試合では小澤海斗選手に勝ち、評価を上げました。成長の手応えは?
芦澤 いや~、ないですよ。だから卜部戦で見せます。盛り上げることはできましたけどね。YouTubeの再生回数でも、数字で結果が出てるんで。
――会見の乱闘騒ぎも含め、注目されましたね。
芦澤 試合前も試合も盛り上げて、言うことないでしょって。倒せなかったんで手応えはないですけど。
――結果は出てますし。
芦澤 結果が出てるし、やりたいって言った相手とやれてるんで。小澤もそうだし。「お前なんかやれねえよ」って言われてたけどやったし、勝ちましたからね。有言実行でアンチを黙らせてますから。
――今回の相手は卜部弘嵩選手。以前から認めると言っていた相手ですね。
芦澤 卜部選手とも前からやりたいって言ってましたね。俺のプラン通り。
――認めるのはどんな部分ですか?
芦澤 闘い方ですね。見てて普通に面白いし。俺がプロになってない頃から活躍してる選手ですしね。その時から「この選手強えな、面白えな」と思って見てましたよ。
――そういう意味では、挑発とか舌戦にはならなそうですか。
芦澤 ただ、そろそろ俺が、格闘家人生のピリオドを打ってやろうかと思ってますけどね。もういいじゃないですか。ここまで頑張って、結婚相手もいて。ここからズルズル落ちるのを見たくないですよ。
――落ちないうちに自分が終わらせればいいと。
芦澤 まあメディアに「K-1ファイターと結婚」みたいに出たんで試合はしなきゃいけない。だから俺とやって、それで最後でいいんじゃないかなって。
――好きだからこそ、という。
芦澤 「カッコいいままでいてください」っていう。エールじゃないけど。
――卜部選手はKOにこだわる選手ですが、うまさもありますね。
芦澤 倒しにくるでしょう……いやどうだろ。最近、俺とやるヤツって倒しにこないんですよね。
――ポイントで勝とうと。
芦澤 でも、ポイントじゃ逆に勝てないですよ、俺には。俺のこれまでの試合でも、ダウン取られなければポイント取られてないんで。ダウン取りにこないと俺には勝てないし、俺もつまんないしって感じですね。
――芦澤選手もうまさを持ってるタイプだと。
芦澤 俺、キックボクシングうまいですよ。蹴り返しは負けないし、距離感がいいから相手の蹴りをスカすんで。蹴り合いになったら分がいいですね。だから俺とやるヤツは細かいことやるより倒しにきたほうがいい(笑)。それを分かってると思うから、卜部選手も倒しにくるんじゃないですかね。……と言いつつこないような気もしますけど。
――となると展開は?
芦澤 見合う展開になると思いますよ。見合うけど緊張感のある闘いですね。で、どっちかが一発で終わらす。そういう試合になると思います。でも、俺を一発で終わらすのはけっこう厳しいっすよ。もらわないから。技術面では負けてるところもあるけど、俺が勝ってるポイントもあるんで。そこでぶっちぎればと思ってますね。
――卜部選手が階級を下げてきたことに関しては?
芦澤 たぶん卜部功也が62.5kg、武尊が60kgのチャンピオンだから、お兄ちゃん(弘嵩)は57.5でって感じなんですかね。その3人は認めてますけどKRESTを阻止しないと(笑)。




