麻雀・RTDリーグ2018の決勝最終日が11月3日に行われ、小林剛(麻雀連合)が1日目の2位から88.9ポイント差を跳ね返す逆転で優勝を果たした。予選をレコードの+630.3で勝ち抜け、準決勝を2位通過していた小林は、決勝1日目に内川幸太郎(連盟)にリードを許したものの、その内川が苦しむ2日目にトップ1回、2着2回、3着1回とポイント状況を正確に把握しながら対局を進行。デジタル雀士の筆頭に名を挙げられる男が、ついにRTDリーグの頂点に立った。
1シーズンの全てが決まる最終局で、最大限に集中し、牌を1つずつ捨てて18個並べ、そして手牌を伏せた。2位の内川との差、わずかに6.9ポイント。ぶっちぎりで勝ち抜いた予選27半荘、リードを生かして通過した準決勝10半荘、そしてポイントがリセットされた決勝8半荘。「(最後まで)楽はさせてもらえないと思っていました」と語るように、最後の1牌まで息を潜め、気配を消して打ち進め、最後は静かに優勝を手にした。直前の南3局で鈴木たろう(協会)からダブ南・チャンタの8000点をアガったところで、トータル順位でトップに浮上。それでも最後までに誰にでも優勝のチャンスがあるオーラス局を、極限のプレッシャーの中、間違えることなく18牌分、しっかり完歩してみせた。
トップ選手が集う長期リーグ戦として始まったRTDリーグ。今年10月から始まった麻雀プロリーグ・Mリーグの発足に伴い、今回がこれまでのリーグ戦としては最後の大会となっていた。第1回大会からデジタル雀士の筆頭として出場し続けて来た小林の存在感は、年々増していった。2016年は予選敗退、2017年は決勝に進んだものの4位。そして最後となった2018年で優勝。もともとその実力は多くのプロ、ファンから認められてきたが、大きな舞台で活躍することで、淡々と打ち進める小林に、凄みという要素も加わった。
来期からはトーナメント方式での開催が発表されたRTD。開催時期や試合形式など、詳細はこれからだが、小林が出場することになれば、当然優勝候補として名を連ねることになる。揺るがない信念のもとに繰り返す打牌は、試合の形が変わっても、またファンをきっと魅了する。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、協会=日本プロ麻雀協会
【決勝結果】
1位 小林剛(麻将連合)+49.8
楽はさせてもらえないと思っていました。オーラスも苦しかったですね。今シーズンはずっとリードしたまま来たんですが、準決勝、決勝が本当に苦しかったです。今日の局数は長くなかったですが、1シーズンは本当に長かったですね。全国のたくさんの方から、すごく声援いただいて、成長させていただいたと思います。
2位 内川幸太郎(連盟)+42.9
僕個人としては、今はすごく清々しい気分です。麻雀やっていてよかったなと、RTDリーグでやれてよかったなという気持ちです。
3位 瀬戸熊直樹(連盟)▲46.0
(最終局は)最後まで自分の優勝を目指して打っていました。積み重ねのゲームなので、そう甘くはなかったです。小林さん強かったですね。今期は自分を追い込んで、結構思いの丈をぶつけてきたので残念ですが、自分なりにやれることはやったのですっきりしています。
4位 鈴木たろう(協会)▲46.7
周りがよくアガっていたので、自分のアガリ番がなかなか来なかったですね。(最終局は)役満で優勝だったので、最後まで目指してはいましたが。予選からずっと小林さんがめちゃめちゃ強くて、なんとかその小林さんをやっつけよう、絶対負けたくないという気持ちで臨んだんですが、やっぱり強くて悔しいです。麻雀としてはおもしろい対局になったとは思います。あともう1つ勝てるように頑張りたいと思います。
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