1日放送のAbemaTV『NewsBAR橋下』にゲスト出演した元高知県知事の橋本大二郎氏が、9月に卒業したテレビの情報バラエティ番組と、報道番組との違いついて振り返った。
橋本大二郎氏(以下、橋本):自分が取材したことを編集し、考え、伝えていく純然たる報道番組とは違う色彩がある。ワイドショーはいろんな情報を使わせてもらうので、ネットでいえば"まとめサイト"みたいな、キュレーションのメディアとしてテレビに出しているもの。全国紙も使わせてもらえばスポーツ紙も使わせてもらうし、いろんな人の話も使わせてもらう。テレ朝の人に聞くと、以前は報道番組とワイドショーとの間には境目や壁もあったが、ずいぶん変わってきたということだった。
橋下徹氏(以下、橋下):ワイドショーの方が政治的影響力が大きくなってきていると思う。
橋本:4年半前に司会を始めた頃は、お掃除や中高年の婚活だとか、暇ネタ・企画ネタのようなものも多かったが、そっちがだんだんしぼんでいった。それはなぜかと考えると、舛添都知事の話題が出たときにものすごく関心が集まった。あの頃からワイドショーは相当変わったと思う。
橋下:舛添さんに関しては、最初の対応などは悪かったと思うが、あの程度のことで辞めるべきではなかったと思う。それを辞めさせたのはワイドショーの力。ワイドショーがワーッと攻撃を仕掛けたら一国のリーダーの首も飛ばせるようになったと思う。
橋本:ある局が取り上げて歴然と視聴率に出れば、他の局もやらざるを得ない。新しい展開がなくても、切り口やコメンテーターを変えて毎回やっていく。おかしい面もあると思うが、やっぱり民放のビジネスモデルはCMだし、出稿元も視聴率だけでなく、商品のターゲットが見てるかどうかで出してくださるので、視聴者の男女、年代も気にする。なかなか無視はできない。
でも、松居一代さんがお家から出てきたとか、YouTubeに動画を上げたとか、面白いかもしれないけれど、いくらなんでもええんとちゃうか?こういうの、もうやめない?と言ったことはある。でも、お台場あたりがそれで視聴率を取っちゃってたから(笑)。もうちょっと堅いニュースもお伝えしたい。でもそれだけだと勝負にならないので、稼げるもので稼いで、というポートフォリオの発想になる。そのバランスがワイドショーの作り手の腕の見せどころだと思う。
橋下:今の政治を歪めているのはワイドショーだ、という意見もあるが、僕はそれも健全な民主主義なんだと思う。権力というのは国民の命を奪うことさえできるもの。それに対してクーデターなどで権力者の首を取りに行くような国もある。だから血を流さずにそれができるワイドショーという装置があることは重要だと思う。とくに民放は政治の中身よりも視聴率重視だから、政治家が"もっとここを言ってほしい、ここを議論してもらいたい"と思っていても、"橋下キレる!"とか、関係ないところを扱うから、ある意味でプロパガンダにもならない。ただ、コメンテーターには本当に腹が立ったね(笑)。
橋本:話を相当盛ってるだろうと感じるコメンテーターはいた。でも、立証するものがないし、それも一つの芸になっていて、数字もお取りになる(笑)。
橋下:名前も出しちゃうけど、政治評論家の田崎史郎、伊藤惇夫、鈴木哲夫とかは、ペーペーなのに"俺は何でも知ってるぞ"っていうような国会議員から話を聞いてテレビで言ってるだけ。本当に中枢レベルの話を聞いている人はいないから、全然あてにならない。田崎さんなんて、自民党総裁選のときに"小泉進次郎さんともやりとり"があると言って、"安倍さんに入れる"と言い切ったのに、ものの見事に外したでしょ。安倍さんと石破さんの二者択一なんだから、ウチの子ども7人中4人は当てるよ!(笑)。それを外すなんて、政治評論家辞めなきゃ、切腹しなきゃ!(笑)
(AbemaTV/『NewsBAR橋下』より)
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