フットボールにおいて重要な要素の1つであるオフ・ザ・ボールの動き。世界有数の選手であるクリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシらも、そうしたオフ・ザ・ボールの動きからゴールを奪う。

 この動きはサッカーよりコートサイズが小さいフットサルにおいては、より重要かつよりゴールに直結する。そんなオフ・ザ・ボールの動きをマスターしているのが、ヴォスクオーレ仙台の堀内迪弥だ。フットサル日本代表にも選ばれ始め、将来の日本フットサルを引っ張って行く存在として期待が高まっている。

ゴールを奪うための3つの極意

 得点ランキングで日本人トップの19得点(20節終了時点)。今シーズンは19試合に出場して、平均1点の数字を残してきた堀内。彼の最大の特徴は得点力。しかしその中身に注目すると、単独突破からゴールを奪う個人技ではなく、ファー詰めや中央でのワンタッチゴールなど、オフ・ザ・ボールの動きから味方との連係で奪うシンプルなゴールが多いことに気がつく。

 そんな堀内は、オフ・ザ・ボールの動きに関して3つのことに注意しているという。

 1つ目はどこのスペースを使えば効果的なのかということ。例えば、味方が自の左サイドでボールを持っていれば、相手はそこにプレスをかけにいく。つまりは逆サイドが空いているため、堀内はそこのポジションを取り、中央に入っていくのかサイドに開くのかの選択をするという。

「どこにいれば相手が嫌なのか、どこにいれば味方は助かるのかを考えますし、スペースを空ける動きやスペースを使う動きは、ちょっとした気遣いなのかなと思います」

 2つ目は自身の持ち場から動きすぎないこと。これは1つ目の要素と反するものでもある。しかし堀内自身はあくまでストライカー。相手の脅威となるために、自分が勝負できる位置で構えることも重要だという。

 また、ゴールに近い自分のポジションで勝負をすることで、そのあとの駆け引きを優位に進められる利点があるようだ。

「我慢してゴール前にとどまって、味方が顔を上げて目が合うタイミングで一歩ズレたりします。例えば横に動いて相手が来なければそこに出してもらえますし、相手が自分の前を取ってくるのであれば裏を狙えるし、横についてきたら前に入って受けることもできます。ピヴォの位置で動きすぎないことで、そういう駆け引きを意識するようにしています」

 そして最後はファーポストに詰める意識を持つこと。これはフットサルにおける基本動作の1つだが、サッカーでいうセカンドボールの予測に近い部分がある。ルーズボールをすばやく回収して、二次攻撃につなげることはサッカーでも重要なこと。

 堀内もチームが攻め上がっている際にファーポストに構えている場面をよくみる。それはシュートのこぼれ球を押し込むだけでなく、味方へのサポートの意味もあるようだ。

「シュートのこぼれ球を狙えますし、シューターのサポートにもなります。つまり、シュートを打つ選手は、ゴールも狙えるし、少し幅を広げてセグンド(=ファーポスト)に当てることもできる。これでGKを惑わすことができます。セグンドに入ったら、きちんとシュートコースに入っておくことも大切で、相手がコースを切ってきたら、角度を変えてちょっとだけ動き直すという工夫も必要になります」

 堀内がこうしたオフ・ザ・ボールの動きを身につけた背景は「僕は相手を背負ってからの型があるわけではないですし、身体能力も高くはない。それに安定感もまだまだ。だからこそ、常に結果を出すために考え続けながらプレーしないといけない」という思いからだという。

 しかし今ではそれが誰よりも優れた自分の武器となり、日本代表にも招集されるようになった。ヴォスクオーレ仙台の試合を観戦する際には、ぜひとも堀内のオフ・ザ・ボールの動きに注目してもらいたい。

文・本田好伸(SAL編集部)

(C)AbemaTV

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