ついに「優勝」の2文字を口にする時が来た。大相撲の九州場所が11月11日から福岡国際センターで始まる。進退がかかった先場所、10勝5敗の成績で15日間土俵に上がり続けた横綱・稀勢の里(田子ノ浦)が巡業、さらにはその後の稽古も順調にこなし、先場所以上の復活ぶりを周囲に見せつけている。白鵬、鶴竜が相次いでけがのために休場が決まり、一人横綱となった稀勢の里の口からめったに出ない「優勝」という言葉が出た。8場所連続休場もあり、一時は限界説も多数飛び交った中から、復活を遂げ、さらに上の“完全復活”を目指す稀勢の里の言葉には、確実に力がみなぎった。

どこかしら常にうつむいた様に見えた、苦しむ横綱の姿はもうない。秋場所では横綱・白鵬とも久々に対戦。敗れたものの、15日間の中で徐々に相撲勘を取り戻し、日を追うごとに取り口にも力強さ、粘りが戻ってきた。「(秋場所は)いろんな思いがありましたけども、一日一番平常心で務めたことが、2ケタ勝てたことになりました。横綱として2ケタ10勝というのは足りないところがありますから、課題もこなして次もまた頑張っていこうと思う、いい場所だったと思いますね」と振り返った。
何より15日間、土俵に立ち続けたことが大きい。「稽古場と本場所というのは、全然違う。ようやく帰ってきたなという気持ちになりました」。同じ相手とぶつかったとしても、本場所でしか味わえない興奮、緊張感がある。その上で勝ち負けを繰り返しつつ、大きなプレッシャーをはねのけられたことが、心の支えにもなっているようだ。「相撲っていうのはやっぱり、身体の力だけじゃない部分もありますから。すべてを使うっていうのも大事になってくると思う」と、まさに心技体の充実こそが、白星につながるものだと誰よりも痛感している。
昨年は横綱として初の九州場所だったが、秋場所を全休して臨んだものの、途中休場となってしまった。「やはり強い気持ちを持って優勝争い、そして優勝を目指して一生懸命やっていきたいと思います」と力強く語った。秋の両国を大いに沸かせた稀勢の里。苦悩を重ねた2018年を締め括れば、その先にはさらに明るい横綱の道が待っている。
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