<大相撲九州場所>◇中日◇18日◇福岡国際センター
十両四枚目・貴源治(千賀ノ浦)が40歳の大ベテランである十両二枚目・安美錦(伊勢ヶ濱)を押し出しで下した際、土俵下に落ちそうな先輩力士の腕を咄嗟につかみ、転落を防ぐ一幕があった。
21歳の貴源治は、倍近い年齢を重ねている安美錦に対して、立ち合いから鋭く突き押し、粘るベテランを一気に土俵際まで追い詰めた。徳俵に足がかかっていた安美錦の体が、土俵外に向いた時点でほぼ勝負あり。そのまま土俵下に落ちて行きそうな勢いだった。
するとここで貴源治が両手で安美錦の右腕をがっちりとキャッチ。既に勝負がついていた瞬間をしっかりと見極め、両膝に大きなサポーターをつけているベテラン力士を気遣ってか、転落によるけがを未然に防いだ。この様子に中継していたAbemaTVの視聴者からは「貴源治やさしい!」「いいやつ」といった声が多数寄せられると、館内からも「いいぞ!貴源治!」といった声が飛んでいた。
相撲界では力士の大型化が進み、幕内力士の平均体重は160キロを超す。土俵際で粘るほど、バランスを崩した後は危険な体勢になることも多く、土俵下の転落でけがをすることも多い。
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