<大相撲九州場所>◇九日目◇19日◇福岡・福岡国際センター
前頭十三枚目の隆の勝(千賀ノ浦)が前頭十一枚目・千代の国(九重)を押し倒しで下して3勝目を挙げた一番で、決まり手を巡って実況・解説はもちろん、視聴者も含めて困惑をする一幕があった。
立ち合い張り差しに行った千代の国に対して、すぐさま押し返した隆の勝。互いに回転を上げて突き合う一番は徐々にヒートアップし、観客も盛り上がりを見せた次の瞬間だった。
土俵際に詰められた千代の国が隆の勝の正面から体を左に移しそうとしたとき、バランスを崩して自ら左手を土俵についてしまった。呆気ない幕切れに館内は「おぉ」という驚きの声と「あぁ」というため息が入り混じる何とも言えない雰囲気に包まれた。
AbemaTVで解説を務めていた元前頭・若兎馬は「パタパタしているうちに勝負がついてしまった。足を滑らせたんですかね……」と言葉に詰まると、しばらくの間、決まり手が発表されなかったことを受け、視聴者からは決まり手について様々な憶測が寄せられた。
その後、押し倒しであることがアナウンスされると、若兎馬は続けて「花道を戻っている間に変更されることもありますから」と話し、決まり手係を担当する親方の苦労を語っていた。
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