今年、後楽園ホール大会を3度開催、久々の福岡大会も成功させた東京女子プロレスの勢いは、選手の数にも表れている。1月4日にアップアップガールズ(プロレス)がリングデビューを果たすと、5.3後楽園ではリングアナだった愛野ユキが選手に。卒業していく選手がいる一方で新戦力も次々と加わっている。

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(11.17新木場大会でデビューを果たした猫はるな)

(C)DDTプロレスリング

11月17日の新木場1st RING大会では、猫はるなが中島翔子とのシングルマッチでデビュー。身長143cmと小柄だが「東京女子には中島さんや(天満)のどかさんみたいに、小さくてもかっこいい選手がいるので」とプロレスラーの道に進んだ。

「デビューはもっと先かと思ってました。どんなレスラーになりたいかもまだ想像がつかないんです。“本当に自分に(プロレスが)できるのかな”って」

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(デビュー2戦目にはファンだった優宇との対戦が実現。優宇は退団が決まっているだけに思い出深い一戦になったはずだ)

試合1週間前に話を聞いた時点ではまるで自信がなさそうだったが、いざリングに上がってみれば堂々とした試合ぶりだった。敗れたとはいえ一つ一つの技を丁寧に繰り出していた印象で、本人も「今やれることはできたと思います」と語っている。特にエルボーの強さはなかなかのもの。

11月24日の成増アクトホール大会では、練習生キョウあらため原宿ぽむが坂崎ユカ戦でレスラーとしての第一歩を踏み出す。猫はるなに続いてインパクト絶大なリングネームだ。

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(練習生としてデビューの挨拶を行なったキョウは驚愕のリングネーム「原宿ぽむ」で11月24日にデビュー)

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水泳経験10年以上だが「選手ではなかったし運動神経もいいわけではないです」とぽむ。プロレスを初めて見たのは「たぶん去年。親の仕事の関係で、タイに行っていた時にジャパンエキスポで見たみちのくプロレスさんが最初でした。ピコ太郎を見に行ったらやってて」とのことでファン歴も長くはないが「プロレスとは何か」を掴もうとする姿勢に嘘はない。

「絶対に勝てないと思われている試合でも、プロレスはやってみないと分からないじゃないですか。そういう希望みたいなものを見せられる選手になりたいです」(ぽむ)

さらに12月1日の新宿FACE大会では、14歳の練習生ユミ(リングネーム未定)がデビュー。相手はDDTの赤井沙希だ。ユミは身長174cm、「赤井さんと同じ身長なので、大きくダイナミックな試合がしたいです」と言う。

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(長身中学生ユミ(仮)は12月1日の新宿FACE、旗揚げ5周年大会で初リングとなる)

プロレスを見るようになったのは父親の影響。ネットで検索していくうちに90年代の神取忍、北斗晶、紅夜叉が好きになったというから、オールドファンも安心の“エリート”育ちだ。ただし本人が目指すのは「老若男女に応援される選手」。曰く「小さい子が見ても楽しいのが東京女子のいいところだと思います」。そして「技だけじゃなく顔でも魅せられる選手になりたいです。表情筋が凄い選手になりたい」とも。

3人ともDDTプロレス教室(現在は休止中)の出身。いわゆるアスリート出身ではない。運動神経には「自信がないです」というのが共通点だ。ただ、体格や運動神経がすべてではないのがプロレスであり、それをどの団体よりも活かしているのが東京女子だとも言える。今はまだ何ができるか分からない彼女たちだが、リングに上がり続けることで、自分が何者かを証明する日がいつかくるはずだ。

文・橋本宗洋

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