今回のカルロス・ゴーン容疑者逮捕の背景をめぐって、日産とルノーの経営統合をめぐる様々な思惑があったことが伝えられている。今年3月には、海外メディアが「ルノーと日産の合併」「ゴーン氏が交渉を動かしており、合併後の会社の経営の指揮をとるだろう」と報じていた。
 背景にあるのは、ルノーの株式の15%を握る筆頭株主であるフランス政府の思惑だ。さらにルノーは日産株の44%を握る。自動車産業アナリストの中西孝樹氏は20日、「ルノーの利益の半分以上、時価総額のかなりの部分は日産の保有価値から出ている。だからルノーの価値というのはある意味で日産の価値と言ってもいいぐらいだし、日産を切り離してやっていくのは難しい。フランス政府が喜ぶのは、言ってみれば日産と一体化してしまうこと」と話す。そのためか、マクロン大統領は今年までだったゴーン容疑者のルノーCEOの任期を4年間延ばす代わりに、日産との経営統合を求めたという。