プロレス界、年末年始の恒例行事の一つが「年越しプロレス」だ。後楽園ホールを舞台に、文字通り年を越して深夜まで開催される興行で、その中の名物になっているのが、シャッフルタッグトーナメントである。

(橋本大地はフレンドリーだが佐々木大輔は微妙な距離感)
DDTと大日本プロレスの選手が越境タッグを結成、16チームが参加する一大トーナメントで、新鮮な顔合わせが生み出す化学反応が見もの。今年のタッグ組み合わせは、11月28日のファン公開記者会見で決まった。
ファンの手による抽選で決まったのは、以下の16チーム(左がDDT側、右が大日本側の選手)
樋口和貞&中之上靖文
マイク・ベイリー&植木嵩行
飯野雄貴&関本大介
高木三四郎&宇藤純久
アントーニオ本多&浜亮太
HARASHIMA&アブドーラ・小林
上野勇希&伊東竜二
遠藤哲哉&吉野達彦
高尾蒼馬&藤田ミノル
佐々木大輔&橋本大地
高梨将弘&バラモン兄弟
サミー・ゲバラ&グレート小鹿
平田一喜&野村卓矢
坂口征夫&岡林裕二
MAO&青木優也
竹下幸之介&宮本裕向

(竹下幸之介は宮本裕向とのタッグで4年連続の決勝を目指す)
昨年は竹下と鈴木秀樹がタッグを結成、チートタッグとも言われた2人が下馬評通りの優勝を果たしている。これまで3年連続決勝進出、「4試合しないと年が越せない体にっている」という竹下は、意中の宮本と組むことに。両者の実力からして4年連続決勝進出の可能性は充分だ。
ただ、今年は優勝候補が多い混戦のトーナメントになりそうでもある。HARASHIMA&アブ小のタッグ「愛してるからだ!」(両者の決め台詞を合体させたもの)は団体の屋台骨を支えるベテランの組み合わせ。坂口&岡林の攻撃力もあなどれない。樋口&中之上、飯野&関本の大型コンビはシャッフルタッグならでは。

(特大のインパクトを残しそうな関本と飯野)
関本と組むことで若い飯野が得るものは多そうだが、関本も「運命しか感じません」と大乗り気。1大会4試合のハードなトーナメントをパワーと勢いで押し切ってしまうかもしれない。
ちなみに高木と宇藤はガンダム好きタッグ。高梨とバラモンは裏も表も知り尽くした同期という強みがある。 そんな中、DDTの頂点に君臨するKO-D無差別級王者・佐々木大輔は橋本大地とのコンビに人見知り発動。「リング上で年越しをしたい」と上位進出を狙う大地に対し、佐々木は「大晦日は家でゆっくりしたいので早く負けて帰りましょう」と提案。

(両団体の人気選手が揃った16チーム・トーナメントは会見から豪華な顔ぶれ)
それでいて、記者からの「チーム名が決まったところはありますか」の質問に「はいはいはい!」と率先して手を挙げて「闘魂三銃士!」。これはそのまんますぎる上に、そもそも2人のため即時却下に。しかし大地の爆発力と佐々木のインサイドワーク、破天荒な闘いぶりが噛み合えば、やはり優勝候補になってきそうだ。
1.4東京ドームまで続く年末年始のプロレスウィークには、外国人プロレスファンも数多く訪れる。年越しプロレスも、そのハイライトの一つ。独特のお祭りムードを味わおう。
文・橋本宗洋
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